【特別賞】命と水
生命の源、水。私たち生物は常に水と共に暮らしてきた。人間が誕生したのは、この長い地球の歴史 と比べれば、ほんの最近のことである。そんな人間とも水は深い関わりを持っている。だからこそ、み なさんには水の怖さや命の大切さを知ってもらいたい。
つい最近、新潟県糸魚川沖で長野県から海水浴に来ていた人たち数人が溺れ死んだ。これから海水 浴シーズンで盛り上がるはずが、始めから水の事故があって、ショックを受けた。毎年水の事故には気 をつけろと言われてきたが、まさかこんなに早く水の事故が起きるなんて想像していなかった。海水浴 に来ていた四人のうち三人が死亡し、一人が助かったそうだ。しかし一時は、重体であったという。こ こから言えることは、水の危険を十分に感知しておかなければいけないということだ。しかし、人はひ ざぐらいの高さで溺れることがあるのだという。これは、防ぎようがないことなのか。いや、あるのか もしれない。水の危険をしっかり知ったうえで、海水浴やプールに行く時は、水の事故に十分に注意す ることが溺れる危険性を非常に低くすると思う。そして、このことが今、人々に求められていることだ と感じた。
新潟県村上市には、『海の守護神』と呼ばれる水難救助隊隊長本間錦一さんがいる。なんと御年八十 七歳だ。彼は村上の瀬波温泉近くの海で溺れた人々を約四十年間助け続け、その姿はまるで鉄人だ。彼 が水難救助隊に入るきっかけとなったのは、今から六十六年前。村上の川で一人の子どもが溺れ、地元 の青年団と共に捜索した。しかし探している中、青年団長が行方不明になり、二重遭難となった。その 後、団長は見つかったが、遺体となっていた。引き上げた本間さんの前で、その遺体となった青年団長
と一週間後に結婚する予定だった女性が、涙ながらに団長の名前を呼び続けていたという。
「なんでもっと早く見つけてあげなかったんだろう」
そういう思いを胸に抱き、水難救助隊に入ったそうだ。現在は、自宅から海までの五キロメートルの 道のりを自転車で十五分で行き、海で二百メートル先の波消ブロックの所まで泳ぐ。これらが出来なく なったら辞めどきだという。まだまだ活躍するだろう。
今まで、人は水と闘い、また水と仲良くしながら生きてきた。水は料理や飲用に使われたり、入浴な どにも使われたり、または、さまざまな物の製造や媒体として使われたりしてきた。まさに、人の生命 と生活を支えるなくてはならない資源だ。
日本は四季の変化に富み、山も多く、世界でも水の豊かな国として知られている。その豊かで美しい 水を大切に考えるだけでなく、その水をどう活用するか、そして、水に恵まれた国を誇りに思うことも 必要だと考える。
水の事故、水に関わる仕事について考えながら、私はこの国の水をいとおしく思った。


