【海の文化賞】私にとっての海
2022年10月12日
先日、久々に父と二人で釣りに出かけた。小学校5年生くらいの時に一度、釣りにでかける父にくっついていっしょに行ったのが一番最初。小さいながらも初めて自分の魚を釣ったのがうれしくて、夏休みのほとんど週末二人で海に行っていた。朝、夜が明ける前に家を出てコンビニでパンを買い、そのまま海へ向かう。
夜の海というのは本当に格別だと私は思う。物音一つしない漆黒の闇の中で、どこまでも深く暗い海を見つめながら目を閉じると、そのまま闇の中に吸い込まれてしまいそうな不思議な気持ちになる。私は基本的に静かな所は苦手なタチだがこの沈黙だけは特別に思う。海の大きさを直に感じる瞬間である。
この事を父に話すと、自分もそう思った事があると言ってくれた。普段あまり話す機会のない父ともこの時はいろんな話ができる。
おしゃべりな私が一方的に話しているようなものだったけれど、たまに返ってくる父の言葉が意外におもしろく「あー、お父さんにもユーモアのセンスあったんだぁ。」などと思うこともしばしばあった。
私は釣りをするということ以上にこの雰囲気がとても好きである。父と並んでだんだん明るくなっていく海を見つめていると、全部を忘れてぼーっとする事ができる。
けれど中学に入り部活をするようになると二人で釣りに行く時間はめっきり減ってしまった。父と私の予定が合わず、「次の休みは行こうね。」と言いながら昨年は一度も行けなかった。だんだん興味も薄れ、もう行く機会もないかなぁと思っていた時、父がまた行こうと誘ってくれた。日曜日の昼まではあったけれど久しくいろんな話ができ、楽しい時間を過ごすことができた。父と海へ行くようになってから、私の中で「海」というものがとても特別になった。地球にとっても私にとっても、海はとても大きな存在である。


