2017年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  羽場 文彦

【特別賞】きれいにしたい西ノ川

僕の家の前には、ホタルやサワガニがいるほどのきれいな川がある。その川は西ノ川という名前だ。

龍安寺の池から流れていて、僕の通っていた小学校と今通っている中学校の中を流れているが、コンク

リートに穴が開いていたり、草が生えていたりするので、サワガニやホタル、ザリガニなどが生息して

いる。また、カルガモの親子が泳いでいることもある。

僕はそんな西ノ川でサワガニやホタルを見たり、サワガニをつったりしてきた。父や母も、昔、小学

校の中でザリガニをつったり、川の探検をしたりしたそうだ。毎年五月の終わり頃から六月の初めころ

になると近所の人たちが西ノ川の橋からホタルが飛び交う様子を静かに見守る。まだ夜の空気がひんや

りしている季節だが、もうすぐ梅雨がくるなと感じる。僕は家のすぐそばに水の流れや生き物たちを感

じられるこの環境が好きだ。

しかし、台風で川が増水した時は西ノ川のことを怖いと思った。気象庁が全国で初めて大雨による

「特別警報」を京都市に出した日のこと。夜中に避難を促すアラームがスマホから何度も鳴り、翌朝に

はテレビで水浸しになった嵐山が映し出された。僕の住んでいる地区には避難勧告は出なかったが、目

の前をゴーゴーと音を立てて流れる西ノ川を見ると、気が気ではなかった。雨が止んでからもゴーゴー

という音だけは残り、不気味だった。現に地域の防災マップを見ると、過去には、僕の家の辺りが浸水

したこともあるようだ。

西ノ川には、昔はホタルもサワガニもたくさんいたそうだが、最近は、生き物が減ってきているよう

な気がする。川をのぞきこむとゴミが捨ててあったり、油が浮いていたりしている。見た目には、ホタ

ルが飛ぶようなきれいな川には見えない。もしかすると、近い将来、ホタルが見られるこの景色はなく

なるかもしれない。

その原因は、人が川にゴミを捨てたり、汚れた水を川に流したりすることで、川が汚れてきたことが

一つだ。だが、もう一つ原因として僕が考えていることは、行政による機械を使った川の掃除だ。川の

掃除は一見、川のために良いことのように思う。しかし、この掃除は、コンクリートの上にあるゴミを、

堆積した土と生い茂った草ごととってしまう。それは川にすむ生き物たちやそのえさを根こそぎ取り除

くことだと僕は思う。

僕は、ゴミを捨てさせないようにすることはもちろんだが、行政に頼るのではなく、地域のみんなで

掃除をすることが必要だと思う。地域の人たちでゴミをとり、土や草はそのままにすれば、生き物たち

の命や住みかが守られる。町内会では、近くの双ヶ丘の掃除をするので、同じように西ノ川の掃除もで

きるはずだ。僕が大人になってもホタルが飛んでいる西ノ川にしたい。

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