2006年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  高橋 汽章

【ざぶん文化賞】わたしのそばの水の歌

春来たと水のぬるさに感じたかかめは目覚めて次は春眠

小雨聞きうつろう桜の薄紅が池に散る夜われ眠りびと

道ばたの梅雨明けまぢか水鏡朝一髪を手梳るのか

黒っぽいこのちょろちょろしたものがどこかかわいいたまり水にて

夕消えて青も無き夜に夏の香が吹き訪れては雨よと思う

夏なのにどうしてこんなに冷やり水氷室が下にあるのかしらん

光澄む水をやってはおじぎ草こうべなでてはおじぎ草かな

真っ白の頁にインクの染みひとつ夏雲映すプールの青

今だけは金魚鉢に遊んでる二匹がうらまし猛暑の二時ごろ

白覆う冬の小道に井戸見つけ結んだ水の両の手温か

飽きもせず土にぺたりと座る娘の水車眺むる瞳は透きて

あの遠い空の雲から降りてきて水は旅して還ってゆくのだ

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