2011年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  白川 郁栄

【特別賞】川の美しさを守るために

 

川は人々のいこいの場となってきました。今でも、子どもの遊び場や釣りの場所として、人の心を休め

る場所となっています。ぼくの家と川は近いので、小さいころから川で遊んできました。先日、久しぶり に川に行きましたが、そこで気になったことは、昔行った川よりも今の方がゴミがたくさん落ち、汚れて いたということ……。

 

そもそも川というのは、山から来た水がそのまま流れていくので、ふつうはきれいなはずなのです。し

かし、ぼくの見た川は汚れていたのです。

 

人は、誕生してから道具をたくさん使うようになり、便利な物や、生活を豊かにする物などたくさん

の物を作り出してきました。その中でも空き缶やペットボトルは、持ち運びも簡単で給水にはもってこい ですが、その反面、使い捨て容器なので、簡単に捨てていく人もいるのです。他にも、ビンや紙くず、タ バコの吸いがらなど、悪意を持って捨てたゴミが落ちていました。

 

ゴミは、二〇〇七年度には、国民一人一日当たり一〇八九グラムもの量を出している計算になる、と環

境省が発表しています。それと同じ年の一般廃棄物(一廃)の排出量は五〇八二万トン、その内生活系ゴ ミは三二六九万トンで、一廃の約六四パーセントを占めています。このようなゴミの中には、溶けると有 害な物質が出てくる物もあるので、川にゴミを捨ててしまうと、そこに住んでいる魚が死んでしまったり、 その川自体が汚れてしまうので、川にゴミを捨てるのはとても危険な行為なのです。

 

ぼくは先日、魚が人間の落とした「自転車」や「空き缶」に住みついて、共存している写真がたくさ

ん写っている絵本を見ました。その写真の中では、魚は当然のようにゴミに住んでいましたが、ぼくは、

「ゴミに住んでいる魚はかわいそうだ」と思います。先ほど言ったように、ゴミからは有害な物質が出て くることもあり、危険です。その物の周りで暮らしている、つまり、人間の作った物に運命をまかされて いる魚に、申し訳ないように感じてしまったのです。

 

その他に、人間の出したゴミが直接生き物に被害を与えている例としては、プラスチックを飲み込んで

死んでしまった魚や鳥がいます。だれかが何気なく捨てた小さなゴミが、生き物の命を奪っているのです。

 

今、各地で川の美しさをとり戻す活動が始まっています。鴨川を美しくする会では、地域の子どもと共

に水生昆虫の実態調査を行ったり、丹後広域振興局は、大手川のゴミを、約二〇〇人がかりで取り除いた りしています。また、きれいな水にしか住めない鮎や蛍が戻ってくるように、水をきれいにする活動も日 本各地で進められています。

 

このように、日本中の川をきれいにする活動には、「割れ窓理論」が活かされているのではないかとぼ

くは考えます。割れ窓理論とは、ジョージ・ケリングが考案した環境犯罪上の理論のことです。「建物の 窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全 て壊される」との考え方からこう呼ばれています。

 

実際に、ニューヨーク市で落書き、未成年者の喫煙、無賃乗車、万引き、爆竹騒音、違法駐車などの軽

犯罪の徹底的な取り締まりを行うと、五年間で、殺人が六七・五パーセント、強盗が五四・二パーセント、 婦女暴行が二七・四パーセント減少し、街も活気を取り戻した、という記録も残っています。

 

このことは、環境問題でも言えることです。みんなが川をきれいにすると、川の美化の象徴になり、わ

ざとゴミを捨てたりする人が減るので、川も昔の美しさを取り戻すと思います。

 

ぼくも、川の美化活動に参加したことがあります。始めたころは、「こんなにゴミが落ちているなんて

…」とショックを受けましたが、活動が終わるころには、「少しでも川をきれいにできた。このきれいな 状態を守っていきたい」と思えました。

 

きれいな川を見て、みんなが「川の美しさを守りたい」と思うようになれば、川の美しさは保たれま

す。そして、ぼくが参加したように、みんなが川の美化活動に参加すれば、もっと川はきれいになります。

 

昔の川がきれいだったように、今の川も、人々のいこいの場、人の心のふるさととなる場所にしていき

たいです。

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