2006年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  田嶋秀之

【奨励賞】新しい気持ちから

私は十三年間生きてきて、水が不十分で困った経験はありません。私の住んでいる久住町は水が豊富

で、その水はとてもきれいです。だから、水道のじゃ口をひねるときれいでおいしい水がいつも流れてきます。

私は五年生の頃に、学校の行事で米水津という海辺町にキャンプに行きました。そこで先生から、

「ここは真水が少ないから、水は大切に使うように。シャワーは一人二十秒」

と言われました。私は、すごくおどろきました。今まで学校のシャワーを暑い日などは、ずっと浴びて

いたからです。それに、海があってこんなにたくさん海水があるのに……。そもそも二十秒、たった二十

秒で海の汚れがとれるのかとても心配でした。

そして私の心配は見事的中しました。背中や首はベトベトして気持ち悪く、服が着にくく、皆で文句

を言いながら水泳を終えました。

その後の夕食の片付けでも注意がありました。

「こっちは洗剤入ってるから、まずこっちで洗って、その後この水ですすぐように」

「えー。またー」と心の中で叫びながら、一つのタライによってたかって食器類を洗いました。しかし、この時はまだ、水の大切さをわかっていませんでした。

そんな思いが変わったのはすごく小さな事でした。私は大分市に住んでいるいとこと遊んでいました。

そんな時、いとこが車から私達が灯油を入れるのによく似た入れ物を持ち出し、その中に私の家の水道

のじゃ口から水を入れているのです。「えっ……」私はまたおどろきました。そして不思議に思い聞いて

みました。

「その水入れてどうするん。家のじゃ口からでる水で」 すると、いとこもまた不思議そうに私を見て、

「だって。大分のじゃ口から出る水なんて、飲めんよ。だからこうして持って帰るんだよ。いいよな。久住は。そのまま飲めるんやけん」

その時、私は気付きました。

「水が豊富できれいな事って、すごい自慢なんだ。これってめぐまれてるんだ」

と思いました。私にとってあたりまえの事は、身近すぎて気付けなかったから、すごくドキドキしまし

た。

その後どれくらい自分の町の水がきれいなのかを知る体験ができました。学校の近くの川の水質調査

をしに行ったのです。川に入って、皆で川の中にいる生き物を探しました。集めた虫の生息特徴を調べると、きれいな川に生息するという結果でした。しかも、一匹や二匹ではなく、たくさんの数の虫がいたのです。改めて、そして身近に水がきれいということを学びました。

それと同時に、最近水が汚いという事実も学びました。それは特定の場所ではなく、全体的にという

感じだったけど、少し心配でした。そのうちこの町の自慢が消えるんではないかと。そして私自身も水を汚しているんではないかと。軽い気持ちで流した食べ残しなどが、今現在水を汚しているんではないかと考えると、すごく悪い事をした気持ちになりました。

でも、新しい事を学び考えられる事もあります。それは、廃油石けんを作る活動を知った事です。この

石けんで食器などを洗うと、環境にも優しいなど、たくさんの事を知りました。

人間の手で汚されるのだったら、人間の手でそれを防ぎ、前の倍きれいにできるといいなと思います。

そして私も汚す立場ではなく、きれいにする立場でいられるように身近な事から始めたいと思います。

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