2014年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  大部 風花

【特別賞】お母さん海

何かの本に、空はお父さんで、海はお母さんだって書いてありました。だからわたしは、海がお母さ んだったら、川は子どもたちだって思いました。日本中にたくさん川があるけれど、みんなお母さんが 大好きなので、海に向かって流れてゆくのです。

それをわたしのお父さんに言ったら、

「大きなお母さん海の水を、お父さん空の太陽があたためて雲が山にぶつかって雨になって、その雨が 山の小さな流れになって川がはじまるので、ほんとうにそうだね。川は海の子どもだね。面白いね。川 は生まれてすぐにはお母さんに会えないんだね。だからみんないっしょうけんめい急いで、お母さんに 会いに行くんだんね」

って言いました。

わたしは、すごいなあって思いました。日本中には、たくさんたくさん川があって、でも、世界中に はもっとたくさん川があって、それが全部、お母さん海の子どもで、お母さんに会うために、まいにち 流れているのです。

それを色んな生き物が好きな、わたしのおにいちゃんに言ったら、

「海は、本当にお母さんだよ、生き物はみんな海から生まれたんだ。最初は海で生まれた生き物が、 陸にあがって、進化して手や足ができたんだ。海は地球の生き物ぜんぶのお母さんなんだよ」

って教えてくれました。

すごいなあ、本当に海はお母さんだ。

そんな話を聞いてたら、私は海に行きたくなりました。でも、わたしの家から海は、とても遠くて、 となりの県に行かないと海はなくて、だから、なかなか海には連れて行ってもらえません。今年はまだ 一度も海に行っていません。行きたいなあ。

それをわたしのお母さんに言ったら、

「でも、歩いてすぐ黒川には行けるでしょ。黒川のそばの東雲公園にはいつも行ってるからいいじゃな い。だって川はお母さん海の子どもなんだから、川に行けば海に行ったのと同じよ」

って言われました。

でも、それはちがうって思いました。子どもの川に会いに行くのと、お母さん海に会いに行くのとは 全ぜんちがいます。だって、海は海のにおいがして、しょっぱくて、波があって、貝がらがひろえて、 全ぜんちがいます。

だからもう一度、川じゃなくて海に行きたいってわたしのお母さんに言ったら、夏休みが終わる前に 海に行ける事になりました。

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