2010年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  千葉 知司

【ざぶん環境賞】黄色い花、青い地球

俺は、ゴーヤを育てている。ゴーヤは緑のカーテン。このカーテン、部屋に入る強い陽ざ

しを優しくし、涼風を作る。ゴーヤは、水を葉から蒸発させて、周りの温度を下げてくれる。

俺も汗をかいた時に、風に吹かれると涼しくなる。俺とゴーヤは、仕組みが同じだ。

今年は豪雨が続き、ゴーヤのプランターは水であふれ、根腐れを起こさないかと心配した。

安心したのも束の間で、今度は猛暑。プランターの土は、カチカチに固まった。

「一体どうなっているんだ」

ある日、ジョーロの中に、雨水がたまっていた。 「そうか。水道の水でなくていいんだ」

その日から、俺のゴーヤは、雨水で育っている。

初めて収穫した時は、嬉しかった。早速、仏壇の祖父母に供えた。祖父母が元気だったら、

「こんなうまいゴーヤは、初めて食べた」

と、喜んでくれたに違いない。仏壇から下げたゴーヤを母は天ぷらにした。本当に今まで

食べたゴーヤの中で一番うまかった。雨水のおかげだ。

地球の誕生後、間もなく生まれた水。地球には、水が沢山ある。でも、僕達が利用できる

水は、全体の〇・〇一%だそうだ。〇・〇一%なんて、ちょっとした間違いで崩れてしまいそ

うな数字だ。地球はものすごく繊密に計算されて、作られているのかもしれない。危ういバ

ランスかもしれない。このバランスを壊すのは、人間しかいない。

俺よりも、プランターの中のゴーヤの方が、地球の危機に気付いているのかもしれない。

今日もゴーヤは元気に、黄色い花をゆらして笑っている。

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