【奨励賞】私と海
2022年9月22日
真っ青な空にもくもくと白い入道雲、その下にどこまでも果てなく続く碧い、碧い海。
貝殻を見つけてそれを母親に見せに走る子、砂の山を一生懸命につくる子、波と追いかけっ
こする子のはしゃぐ声、やっぱり海には笑顔が似合う。毎年、夏になると太陽の光が反射し
てキラキラと宝石のように輝く海が見たくなる。それは、海には、人を元気づける不思議な
力があるからだと思う。
私にはこんな経験がある。
去年の春、まだ冬といってもよかったかもしれない。そんな寒い日。私の大好きな先生が、
他校へ異動することが決まった。卒業する時、先生に見送ってほしい、皆であの先生にお礼
を言って学校をあとにしようと約束していたから・・・・・・。異動されると聞いた時は、と
にかく悲しかった。そんな時、友達は、一言こういった。 「港へ行こうよ」
この一言にどんな意味があったのか、よく分からなかったけど、すぐに「うん」と答えていた。
友達と2人で海へ行き、水平線を眺めていると、不思議と心が落ち着いてきた。
そして、先生との別れは、悲しいけれど、中学校最後の一年間を頑張ることが先生へのお礼
になるんだと前向きに考えられるようになった。
家で、港の話をすると祖父が、必ずこう言う、
「かおりは海が好きで、毎日連れていった」と。
たしかに小さい頃、祖父の自転車の後に乗って港へ行った記憶がある。
パンダやうさぎの置き物に順にまたがり、海を眺める。私が海をみると不思議と安心する
のは、祖父が毎日海を見に、港へ連れていってくれたからかもしれない・・・・・・。
私は思う。大好きなこの海がずっときれいなままであってほしいと。
そして、今年も暑い夏がやってきた。久しぶりに、海を眺めに港へ足をはこんでみようか
と考えている。


