2007年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  織田光恵

【奨励賞】水と生きる

家の前には、長方形の田んぼが広がっています。今の時期は、水が張られた田んぼが多く、米づくり

がいよいよスタートしようというところです。もう少しすると、その田んぼも一面青々と稲の波でおおわれるのです。私たちが毎日食べているお米にとって、まさに、水は命の綱と私は強く思います。

この田んぼに栄養を与えている水のほとんどは、私たちが住む清里区にある坊ケ池という深い池の水

です。坊ケ池には、有名な坊太郎伝説があり、新潟県の昔話集にも採られています。その水は浄水場で

きれいにされ、田んぼに沿ってある小さな用水路に流れてきます。流れてきた水を利用して、毎年米づ

くりをしているのですが、この水がなかったら米づくりはできません。 「家は、いつ田植えをするの」

「もうすぐだよ。でも、その前に代かきをしないとまだできないんだよ」 「代かきって、どんなことをするの」

「秋からなにもかまっていない田んぼの土を、やわらかくする田打ちをまず初めにやるの。その後に田んぼに水をいれて、機械でさらに土を細かくすることを代かきっていうんだよ」 「へぇ〜。そうなんだ」

「それからまた水を引いて、やっと田植のできる状態になるんだよ」 「それじゃあ、水を入れたり引いたりの繰り返しで大変だね」

深く、深く考えると、私たちの生活はすべて水とつながっています。見えない所、知らない所で水はと

ても重要な役割を果たしていることが分かりました。食事の他にも、水は使われています。一日の生活の中で。洗濯をする時も、お風呂に入る時にも水は欠かせません。そのため、水は人間にとって日常の暮らしの一部、なくてはならない存在だと私は思います。人間だけではなく、植物や動物など地球上の全てのものが生きていくための、生命の源です。

しかし、世界にはきれいな水を使うことができない人々もいます。外国では水が汚染され、飲むことも

できないという事実があります。だから私たちのように、水が豊富であっても無駄使いをせず、必要最

小限でつかっていくべきだと私は思っています。それから、水を大切に使い扱うことで、私たちの生活を水がどれだけ支えているのかを学んでいきたいです。そして、世界中の水に苦しんでいる人々にもおいしい水が早く飲めるようにと私は願います。

五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし。草葉も水もいと青く見えわたるに、

上はつれなくて草生ひ茂りたるを、ながながとただざまに行けば、下はえならざ

りける水の深くはあらねど、人などのあゆむにはしりあがりたる、いとをかし。

枕草子、「五月ばかりなどに」の一節です。平安の昔から、日本人は水をいつくしみ、敬い、そして愛

してきました。清里区にもこのように、美しく、豊かな場所がいくつもあります。

地名ひとつとっても、そう言えます。「深沢(ふかさわ)」「鶯沢(うぐいすさわ)」「棚田(たなだ)」

「水草(みずくさ)」「赤池(あかいけ)」清里の人々が、どんなに水と深く関わって生きてきたか

の証しです。私も水を敬い、大切に扱ってきた祖先のおもいを胸に深く受けとめます。そして、清里の子どもとして未来へしっかりとそのおもいを受け継ぎたいです。

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