【特別賞】水そうの中のキンパチ
2022年9月15日
「じゃあね、キンパチ。明日ね」
放課後、私はキンパチに手をふった。
キンパチとは、一、二年前から飼われている金魚の名前だ。四年生の時、担任の先生が前のクラスでも
飼っていたので、新しいクラスでも飼おうとした金魚の名前がキンパチで、性別も知らされていない。
水そうの中で泳ぐすがたが、このクラスではめずらしく、じゅ業中も水そうをのぞく人がたくさんい
た。
でも、一ヶ月を過ぎてくると、係の人たちしかめんどうをみようとしなくなってきた。私のように係で
はないが、めんどうをみようという人もいた。「なんでだろう。かわいいのに」そう思った。
ある日のこと、
「えさ、あげていい?」
私が係に聞くと、
「いいよ。ちょうどあげようと思ってたから」
と返事をしたので、えさをあげようとした。そして、水そうの上に手を出した時、
「わっ、すごい!」
キンパチが、口をパクパク、パクパク、えさをあげていないのにその動きをした。 「本当におなかがすいていたんだ。なんかすごいなぁ。金魚って」
新しい発見ができた。
次の日も、その次の日も、キンパチはおなかがすいているとパクパク、というように口を動かした。
「かわいい。しかも、とってもおもしろい」
楽しい日が過ぎた。
一年と二ヵ月後ぐらいに、キンパチは死んでしまった。 悲しかった。三日間ぐらいは教室がさびしく感じた。
私はキンパチに会い、「水」というものがとても身近に感じ、いろんな思い出の中に関係している、と
ても大切なものだと思った。そして、「水」が好きになった。


