【準ざぶん大賞】ウミガメの気もち
ぼくは、ウミガメ。今日も海を泳ぐ。生まれてから、二十年くらいだっただろうか。りくで生まれ、それからずっとこの海ですごしている。広くていごこちのよいさいこうのすみかだ。ながれにのってすいすい進むととても気もちいい。ともだちの魚くんと、きょうそうして遊ぶのも楽しい。ぼくのじまんの海だけど、さい近少しずつ様子がかわってきているぞ。
うん?遠くからだれかが手をふる。ダイビングをしている人間だな。人間とは、りくにすんでいて、ぼくのともだちの魚くんや貝くんをたべて生きているそうだ。とてもかしこくて家をたてたり、べんりなものをかいはつしたりして、ゆたかにくらしているそうだ。今日は、遊びに来たんだ。遊びに来るのはいいけど、ねているともだちもいるかもしれないからじゃまはしないでね。
この間、ぼくのなかまがしんだ。えさとまちがえてプラスチックというもので作られたふくろをのみこんでしまったんだって。このふくろも人間が作ったんだって。いらなくなって、すてられて、ゴミとなって、ぼくらの海まで時間をかけながされてきたんだ。ほかにも、ビン、カン、ストロー、ゴムせい品なども、よくながされてくる。これもぜんぶ人間のゴミだよ。ぼくのじまんの海なのに…。きっとわざとではないと思うけど、気がつかないうちに、ぼくのすみかをよごしているよ。でも、いい人間もいるんだよ。ぼくのおくさんが、たまごをうむためにりくに上がったと、たまごをあんしんしてうめるように、すなはまをきれいにしてくれていたんだ。それに、たまごからかえった赤ちゃんが道にまよわないように、明かりをけしてくれたり、平らなすなはまにしてくれたりもしている。多くの人がそうじをしてくれたり、水しつのけんさをしてくれたりしているのもしっているよ。ぼくらのことを考えてくれる人間がたくさんいて、がんばってくれているんだね。とってもうれしいありがとう。
ぼくは、もっと人間となかよくなりたい。だって、同じいのちのある生きものだから。おしゃべりはできないけれど、ぼくらの気もちをわかろうとしてくれる人は、たくさんいる。ぼくも、何かできることはないかな。ぼくは、これからも長生きしよう。そして、この海が人間のおかげでどんどんきれいになっていく様子を見守ろう。ぼくの子どもやまごたちが、えがおで泳いでいる海になるといいなぁ。人間のみなさんよろしくおねがいします。


