2019年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  さぶ さちえ

【ざぶん環境賞】水光接天

私の住む青森県むつ市大湊という所は、自然の湧き水を昔ながらの方法で有効活用し、観光資源にしようと動いています。小径(こみち)のいたる所に「わき水」といった看板が立てられていて、コップも置いてあり、いつでも、誰でも飲める状態になっています。

こうした地区は稀有だとしても、日本の家庭では、常時、水道の蛇口をひねるだけで、すぐに水が味わえる所がほとんどです。たとえ災害時でも、自衛隊や行政の支援により、すぐさま水を必要としている人の手元に届けられる態勢が整っています。

ですが、よその国のほとんどは、およそ蛇口をひねるだけで水を得られるなんて、夢のまた夢のことであって、到底考えられません。水はとても貴重かつ高価なものであり、入手困難な地域がざらで、そのためわずかな水を求めて紛争に至るケースすらあります。

こうした水に困っている国、例えばサモア独立国などに、沖縄県では職員を派遣して「JICAボランティア」という取組を行なっているそうです。互いの価値観、生活様式、文化を尊重し、直接触れ合い、交流しながら、水不足などその国の抱える問題の解決に挑み、経済や社会の発展に貢献しています。

私は、このことをサイトで知りました。そこには映像も記録されていて、私と同じくらいの年齢、あるいは明らかに幼い子どもが朝から遠い川へ水を汲みにいく姿がありました。私達がふつうに学校に行って勉強している間も、苦労して水を運んでいるんだと思うと、切なくなりました。こうした国々あるいは地域に、安全な水を獲得する技術をどうにかして提供できないものでしょうか。

沖縄県に限らず、三重県や他の都道府県でも支援の動きが広まりつつあるとのことで、未来に期待が持てます。また、ユニセフは、集めた募金で井戸などを造り、世界中の困っている人のために活動を続けていると、社会科の授業で聞いたこともあります。文明の発展には、いつだって水がかかわっていることは、歴史の上からも明らかです。

私の住んでいる家の近くには川が流れているのですが、そこには、夏にたまに蛍の姿を見ることができます。蛍は、空気が澄んで水が綺麗な所にしか生息しないと習った記憶があります。つまり、蛍の姿はある種の環境のバロメーターになるのです。そんな蛍の姿を垣間見ると、わがふるさとを少しだけ自慢したくなりました。それでも、年々、蛍が少なくなっている現状が見られるので、川の環境を整え、昔のままの自然豊かな姿に戻す努力が必要です。

こうして冷静になって考えると、水環境に恵まれた私達こそが率先して水不足に悩む世界の人々の力になるべきかもしれません。

水光接天ーーー川の水面に映る月光の輝きは、人々の心に落ち着きをもたらします。同様に、水はいつの時代にも遥か遠くの人にも潤いをもたらすのだと、私は信じます。

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