2019年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  浅見 祥子

【ざぶん環境賞】あなたは水に危機感を感じていますか

「えっ、水が有料なの?」

私はレストランのメニューに記された「water=2$」の文字を見て、思わず呟いていました。今年の一月、私はホームステイでアメリカのロサンゼルスを訪れました。温暖で豊かなアメリカ西海岸の生活を満喫したのですが、ホームステイ最後の夜、ホストファミリーに連れて行っていただいたディナーで、アメリカの別な一面に気付いたのです。それは「水不足」なのではないかということです。

翌日、私たちに付いて下さった通訳の方に確かめてみると、

「アメリカでは水が有料というところが多いね。実はアメリカは水不足が問題になっているんだ。特に今カリフォルニアは慢性的な干ばつで、州からも、国からも節水が呼びかけられているんだよ」

と、教えてくださいました。ホストファミリーはそんなことを感じさせなかったので、私はびっくりしました。何より驚いたのは自然や石油などの資源に恵まれたアメリカが、水不足の問題を抱えていることでした。

帰国してから調べてみると、カリフォルニアの大きな水源であるコロラド川流域は、十五年近くにわたって干ばつに悩まされてきたということが分かりました。原因はラニーニャ現象で太平洋の赤道地域の海水温が下がったことと、西海岸沖の大気の峰がカリフォルニアに雨をもたらす嵐をブロックしたことでした。海水温や気圧の変化の異常は、地球温暖化とも関係が深いとよく言われます。それを引き起こしているのは、結局私たち人間なのではないでしょうか。私たちの一人ひとりが、自覚をもって自然環境を守る生き方をしない限り、自然からの報復は止まないでしょう。

日本に帰国してからしばらくの間、降水量ゼロが続きました。栃木県はもともと冬に降水量が少ないのですが、一か月以上も降らないというのは異常でした。太平洋の海水温が高かったため、冬型の気圧配置が強力になってしまったのです。私はカリフォルニアのことが頭をよぎりました。他人事ではないと思ったのです。そういった危機感をどのくらいの日本人が感じているのでしょう。日本の気象状況は明らかに変化しています。九州南部、広島、岡山の大雨を思い出してください。想定外の出来事が連発しています。近年、海水温の上昇は特に大問題です。大雨や台風の異常な発達、干ばつにも直結するからです。

私の住む矢板市は自然豊かで水に恵まれています。特に高原山から湧き出る水は「おいしい水日本一」にも輝いたことがあり、私たちの誇りです。また、最近は高原山の中腹にある「おしらじの滝」が、冬の降水量が少ないと消えてしまう幻の滝として知られるようになってきました。二月下旬から三月にかけてまとまった雨雪があったので、碧い神秘的な滝の姿を今年も見ることができました。私はこの水の豊かなふるさとを必ず守っていきたいと思います。皆がそういう気持ちで生活すれば、思いは海にまで届くと思うのです。

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