2019年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  高橋 汽章

【ざぶん環境賞】願い

僕はカニ。海のそこに住んでいる。毎日たくさんの友達に会って、いろんなお話をして、楽しく暮らしている。たいくつだなんて思ったことは一度もない。めんどくさいと思うこともない。いいなぁ。羨ましいなぁ。って思ったかな。

でもさ、いくら毎日楽しいからといって、不満がないわけではないんだ。僕には大きな不満がある。

僕の不満が何かなんて分からないだろう。僕の不満は、「大きな知らないもの」がたくさん落ちてくることなんだ。たくさん落ちてくるから、山みたいになってしまったんだ。なぜそれが不満なのかって。それは、たくさん落ちてくる、「大きな知らないもの」が人間の「ごみ」だと知ったからだ。「ごみ」がたくさん落ちてくるから、僕の大切な大切なきれいな海が汚されてしまったんだ。

「ごみ」をはじめて見たときは、びっくりしたよ。こんなに危険なものが落ちてきたって。こんな自然現象もあるのかって。でも自然現象なんかではなかったんだ。人間が海を、僕の家を汚していたんだ。海はごみ捨て場ではないのに。透き通っていた水はどんどんにごっていく。前が見えなくなって危ないんだ。

僕は知っているよ。海にも、海じゃないところにも、平気で「ポイ捨て」をする人間がたくさんいるんだ。「ごみ」は多くの生き物を死に追いやるということを知ってほしいな。どうでもいいだなんて、思わないでほしいな。

自分の家が汚されたり、空気が汚れたところに住むなんて、誰も望んでいないと思う。けれど、僕の家は人間の捨てた「ごみ」が原因でどんどん汚されているんだ。水もきれいだったのに、すっかり変わってしまった。僕も心地良い、きれいなところに住みたいんだ。そしたら、うーんと長く生きられるかもしれない。

僕の、海の大きな不満をなくすために、ポイ捨てのない世界をつくってほしいな。ポイ捨てはだめだと考え、行動する人間が増えてほしいな。

僕は小さなカニだけど、こんなに大きなことを願っているんだ。

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