2005年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  原田 維夫

【ざぶん大賞】水は流れる

地球が四十六億年前に生まれたというならば 今、自分の体に流

れている水は この星で

四十六億年も生きてきたのだろうか

ふと考えてみると

まわりは水だらけ

自分の体だって

半分以上が水でできているし 犬だって

ヒマワリだって

ハチだって

海や雲だって

水からできている

水は姿を変えながら

命をつないでいる

命を流れている

いつか

自分の体を流れている水は 外に流れ出て

他の生き物から流れ出た水と 集まって海になって

蒸発して雲になって

雨になって再び地上に降りそそぎ 何かの生き物の一部になる

汚されていく海も、空も

水になって

人間に、自分にもどってくる そして、また流れていく
それを幾度もくりかえし

また自分の一部にもどってくる 流れる血も

絶滅していく動物も

枯れていく植物も

知らない地を訪れたとき 前に見たことがあると感じるのは 水の記憶のせいかもしれない

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