【ざぶん文化賞】カメレオン川
「天水、起き」そういわれ朝の五時に起こされた。その日は夏休み前から約束していたお父 さんの仕事についていく日。最初はついていく気はなかった。けど
「おこづかいあげるから手伝ってなー」
と言われ、おこづかいがあまりなかった小学校六年生の僕はしぶしぶついていった。仕事内 容は田舎の道路工事。土をほったりする作業をしていた。
昼休みの時間。お父さんが
「近くに川があるから行ってみ」
僕は言われたとおりその川の方向へと向かった。体がだるくて帰りて〜と思っているときだっ た。その気持と体のだるさは、一瞬のうちにしてなくなった。目の前には川があった。太陽の 光をあびてキラキラと輝く川が。
僕はその水で顔を洗った。きもちよかった。昼飯を食べ終えると僕は川に夢中になってい
た。川は透き通っていて魚もみえた。すると川の近くの民家のおばあちゃんがでてきた。 「そこで何してるん?」
話を聞いてくれたおばあちゃんが
「ちょっと待っとき」
そう言って家の中に入っていった。
何分かしておばあちゃんが家の中からでてきた。
そしてトマトとキュウリを持ってきてくれた。 「とりたてやでぇ〜」
とてもおいしかった。するとおばあちゃんが 「夕方くらいになったらまたきてみ」 僕は、分かったと言って仕事場に戻った。
仕事が終わると僕は一目散に川へ走った。
そこには、おばあちゃんがいてサイダーをごちそうになった。おばあちゃんが川を指さした。 その川は昼間とは違って赤に染まっていた。するとおばあちゃんが
「きれいやろ。この川は朝、昼、夕方、夜と色が変わるんや。まさにカメレオンやな。これか らもこの川をきれいなままでいられるように、みんなで守ろうな」
二十分後、僕は帰りの車に乗った。行きには通らなかった川の橋の上を通った。橋の上か
ら見る川も最高やった。
僕は、おばあちゃん達が守っている、カメレオン川に、また会いに行きたい。


