【特別賞】鯉の役わり
僕と父の趣味は釣りです。よく二人で湖や川に釣りに出かけます。山梨県にはもちろんのこと、時に
は県外に行くこともあります。色々な魚を釣りますが、その中でも一番多く行くのは、鯉釣りです。鯉
釣りは難しく、一日中釣りをしていても、一、二匹しか釣れません。しかし、魚と真剣にかけひきをし
て、釣り上げた時の感動は最高です。
僕と父の特にお気に入りの鯉の釣り堀りは、長野県の佐久市にあります。佐久市は、水量豊かな清
流千曲川の河水を利用した、流水養殖による佐久鯉で全国的に知られる養殖鯉の産地です。
釣り上げた佐久の鯉は、とてもおいしいので、食べることもありますが、ほとんどは近所のため池
にはなしています。最近まで、僕は鯉を飼うためにはなしていると思っていたのですが、そうしたのに
は、別の訳がありました。鯉をはなすことにより、水をきれいにすることが目的でした。近所の人にも、
「鯉を釣って来て欲しい」という思いがあるようです。
それを聞いて僕は、なぜ鯉をはなすことで、水がきれいになるのか気になったので、父に聞いたりイ
ンターネットを使ったりして調べてみました。
鯉は、雑食なのですが、おもに藻や水生昆虫などを食べています。藻は、毒性を持つものや、悪臭を
はなつものがあるため、増えすぎると、水質が悪化します。また、水生昆虫のボウフラは、夏に蚊とな
り、僕たちを悩ませます。鯉は、それらを食料としているため、人が、快適に暮らしていける環境をつ
くってくれているそうです。
今考えてみると、ぼくは、釣ってきた鯉に餌をあげたことがありませんでした。四年前に釣ってきた
鯉は、当時十センチ程の大きさでしたが、いまでは、三十センチを超えています。ということは、虫や
藻を食べていた結果だと思います。
今回取り上げた藻や虫であれば、除草剤や殺虫剤を使うという選択肢もあると思います。それでは、
生き物の住めない死んだ水になってしまいます。そうならないためにも、人が生き物や水を思いやり、
共存していくことが大切だと思います


