2015年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  百鬼丸

【準ざぶん大賞】断ち切れ、水と油の関係

人は汚れた水を浄化できないのでしょうか。

理科の授業で実験をしました。ミョウバン、砂糖、食塩、食紅……と、たくさんの物を水

は溶かしました。さらに温度を上げたり、水の量を多くすると、もっとたくさん溶かすこと

もできます。飲料水を開発しているある会社のホームページには、「水は物を溶かす天才」

と紹介されているくらいです。

しかし、そんな水でも溶かせない物が中にはあります。一般的に知られているもっともポ

ピュラーなものが「油」です。

水と油の関係は、「油に水」ということわざの意味そのままで、いくら混ぜても、溶け合

うことはありません。実際に水と油を一緒に容器に入れると、水は沈み、油は浮いてしまい

ます。ドレッシングなどはその状態になってしまうため、食材にかける前によく振って、一

時的に混ざり合うようにします。

では、なぜ油は水に溶けないのでしょうか。そもそもの理由としては、油はイオンに分解

されにくい、という性質があげられます。さらに、水にある極性というものが、油にはない

ので、互いに結合しにくいのです。極性を持っている水と水、あるいは、それを持っていな

い油と油同士でないと結合、つまり溶け合うことはないということです。このように水と油

は、相性がとても悪いのです。

これら水と油の関係は、人間同士の関係にもよくたとえられます。この場合、だれとでも

「溶け込めて」、だれとでも仲よくやっていける人が「水」です。一方、そんな人に「溶け

込めず」、「浮いて」しまっている人が「油」ということになります。水にあるのは、協調

性という「極性」で、油にはその極性、つまり協調性がありません。まさに、先ほど示した

「油に水」ということわざのとおりだと思います。水がどんなに油をイオンで分解しようと

しても、誘導率の低い油は、受け入れることができません。

では、本当に水と油は、仲よく溶け合うことができないのでしょうか。

実は、水と油は絶対に溶け合わないわけではありません。わずかでしかないのですが、方

法はあります。

それは、油をまずアルコールに溶かし、その溶かしたものに、水を加えるという方法です。

アルコールには、水と油の中間の性質があり、水と油どちらにも溶けることができます。

しかし、その場合でも、アルコールに油を、さらに水を、という順番があり、そうでないと

溶け合うことはありません。水を先にアルコールに溶かしてしまうと、油を溶かす余裕がな

くなってしまうのです。

この溶け合う関係を、再度、人間に置き換えて考えてみます。繰り返し述べますが、「水」

と「油」だけでは相性が悪いので、仲よくなることはありません。この中に、共通の「友人」

である「アルコール」を入れると、悪かった関係が良好な関係へと変化していきます。これ

まで「浮いていた」油を溶け込ませてあげることにより、水とも溶け合う関係が築かれるわ

けです。

「あいつとは絶対に仲よくなんてなれない」、実はそんなことはないのです。相反する関係

の中に、アルコールの役目を果たす人が加われば、苦手な人ともきっと溶け込めるようにな

るはずです。水と油の関係がちょっと手を加えることにより直せるように、僕たちも手を携

えて楽しく過ごせるように努力すべきなのです。

筆頭に掲げた問題の結論を述べます。汚れた水を浄化することは決して不可能なことでは

ありません。まずは、「油」のような協調性のない人間を生み出さないことです。不幸にし

て「油人間」が現れたなら、「アルコール」の役目となる人をたくさん募り、そうした心な

い人をも率先して仲間に加え入れます。単に排斥するのではなく、そういう人にも環境問題

に積極的に関わらせ、心を入れ替えらせる必要があります。

そうすることで、自然界の豊かな水は美しい姿のまま保つことができると、僕は信じます。

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