2013年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  柳 武志

【特別賞】海はないてるよ

「わあ!海だ!」

車のまどから、太陽の光にてらされて、ピカピカかがやいている、真っ青な海が見えた。

ぼくは、夏休みに家族で、海にかこまれたキャンプ場に行った。キャンプでは、海で思いっきりあそぶ

ことを楽しみにしていた。

テントをたておわり、いよいよ海。近くの海に、パパとお兄ちゃん、お姉ちゃんといっしょに歩いて

いった。海の近くになると、生ぐさいにおいがした。そして目の前は、生ごみや、あきかん、ペットボト

ルでいっぱいだった。ぼくが車のまどから見た、ピカピカかがやいている海のすがたは、どこにもなかっ

た。海に入れることを楽しみにしていた、ワクワクしていた気もちから、かなしい気もちになった。

どうして、こんなにゴミが山づみなんだろう、この海にあそびに来た人がゴミを出したたのかな、出

したゴミをもって帰ることができなかったのかな、ぼくの頭の中は、ぎもんでいっぱいになった。

「自分一人だけなら大じょうぶ」という気もちが、山づみのゴミを作ってしまったのかもしれない。ぼく

は、「自分一人だけでもゴミは出さない」という気もちになった。

海は地球にすむみんなのものだと思う。海には魚がすんでいて、魚がエサとするプランクトンもすん

でいる。もし、海の水がよごれれば、プランクトンはしんで、プランクトンをエサとする魚もしぬだろ

う。そうなったら、人間は魚を食べられなくなるだろう。ぼくが大すきな、マグロやサーモンも食べられ

なくなってしまうな。

きっと海も、「ゴミでよごさないで」とさけんでいるだろう。海の波の音が、ぼくには、海のなき声に

きこえた。

ぼくは、海からの帰り道、右手に一つ、左手に一つのゴミをもって帰った。「ぼくが今できることをや

ろう」そう思ったからだ。

だれかがやってくれるだろうとか、自分一人なら大じょうぶだろうとか、自分一人がやってもむりだと

か、そんな気もちが、ぼくが海で見た、山づみのゴミのあらわれだと思う。

ぼくは、ぼくが今できることをやろう。もう、ゴミだらけの海は見たくないなと思った。「いつ海をき

れいにするの」「今でしょ!」

車のまどから見えた、真っ青でピカピカ光る海が、いつまでもつづくように。

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