【特別賞】熊本のおいしい地下水
私たちの住む熊本市は、水道水すべてを地下水でまかなっているという、とても珍しい都市だ。この
ような都市は日本中にとどまらず、世界中をみてもあまりないらしい。普段の学校生活で、体育の授業
や部活中など、のどがかわいたなと思ったら学校の蛇口をひねる。そうするとおいしい水が出てきて、
それをごくごくと飲んでいるが、これは私たちの住む地域の特権であるということを、よく覚えてお
き、後世に伝えていかねばならないと思う。
小学校のときに熊本市の地下水の流れや循環の仕組みを学んだ。熊本県には阿蘇山という火山があ
る。この火山が約二十七万年前から九万年前にかけて四度にわたる火砕流大噴火を起こした。その火砕
流が厚く降り積もったことにより、すきまにおいしい水を育みやすい土台が出来上がったという。さら
に約四二〇年前に、肥後の国の武将だった加藤清正が、阿蘇山から熊本市内を流れている白川の中流
域に多くの堀と用水路を築き、水田を開いた。水が浸透しやすい性質の土地に水田を開いていったので、
大量の水が地下に供給されてますます地下水が豊富になったらしい。このように、熊本市の地下水は阿
蘇山の自然の恵みと歴史上の人物による努力が実を結んで出来上がったまさに奇跡のようなものだ。
このような背景もあり、熊本の水環境には、大手飲料メーカーが天然水やビールを製造する工場を
立ち上げるなど、県外からも関心が示されている。また、水がきれいな土地である証拠として、精密機
器などの工場も見られる。これらを私は誇らしく思う。熊本の自然のおかげでできるこの豊かでおいし
い水を県外、さらに世界にアピールし、多くの企業がやってきてくれるよう、働きかけるのが私たちの
使命である。
熊本県では、地下水を守り、伝えていくことが不可欠であり市町村の枠をこえて地下水保全の取り
組みを行っており、この取り組みが世界で高く評価され、「二〇一三国連〞生命の水〝最優秀賞」を受
賞したと聞いた。私も将来、ふるさと熊本の地下水を全国や世界にアピールする仕事に就きたい。そし
てなによりも、自分の子供や孫の世代までも、私と同じようにおいしい水の恵みを受けられるよう、普
段の生活を通して、熊本の自然を守り続けられるように努力したいと思う。


