2014年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  高森 絢子

【特別賞】妖精たち

昔ある村の森にとてもきれいな泉がありました。そこには、水の妖精が住んでいました。妖精はいつ も楽しそうに泉のまわりで遊んでいました。

ある日のことでした、村に突然雨が降らなくなって池や川の水がなくなってしまったのです。村人た ちは困り、泉へいき妖精にこう言いました。

「どうか、あなたの力で雨を降らせてください」

水の妖精は困ってしまいました。水の妖精の力だけでは雨は降らせられないからです。そこで水の妖 精は、森にいる妖精さんたちに力をかしてもらうことにしました。

初めに、風の妖精のところに行きました。

「おーい、風の妖精さん」

と呼ぶと突然、ビュンと強い風がふいて、風の妖精があらわれました。

「なにか用かい?」

「うん、あのね」

水の妖精は風の妖精に村人たちが困っているということを話しました。すると風の妖精は、

「よし、わかった、ぼくも手伝うよ」

と言ってくれました。

「ありがとう」

「僕も、他の妖精さんたちに伝えてくるね」

と言って、またビュンと強い風がふいて風の妖精は森へいきました。

水の妖精は次に木の妖精のところにいきました。

「おーい、木の妖精さん」

と呼ぶと、木のかげからそろりと木の妖精が出てきました。

「どうしたの?」

「うん、あの」

 

さっき風の妖精に言ったことを木の妖精にも同じように言いました。

「そうだったんだ、うんわかった、手伝うよ」

と言ってくれました。

「ありがとう、じゃあ泉に行こう」

と言って水の妖精と木の妖精は泉に向かいました。

泉につくと風の妖精のほかに、雲の妖精や土の妖精、岩の妖精がいました。

「みんな、ありがとう」

と水の妖精が言いました。そして、

「じゃあ、いくよ!」

妖精たちが言いました。

すると水の妖精は水の玉をつくりはじめました。そしてその玉が太陽の光にあたって消えてしまいま した。すると風の妖精が冷めたい風をふかせました。そして雲の妖精がそこから雲をつくりました。そ の雲を木の妖精が森で一番大きい木の上にもっていきました。そして雲の妖精が木の上でどんどん雲を

大きくしていきました。大きくなった雲を風の妖精が空に向かってとばしました。するとぽつ、ぽつと いって雨が降り始めました。村人たちも妖精たちも大喜びしました。

「ありがとうございます、これで村ももとどおりになります」

と村人は言いました。すると土の妖精が、

「ちょっと待った〜」

と言いました。何事かと村人たちと妖精たちは土の妖精のほうを見ました。すると土の妖精は地面を こんこんとたたいて、にかっと笑って穴を掘りはじめました。岩の妖精は土の妖精が何をしたいのかわ かって、まわりに岩をつんでいきました。そして土の妖精が穴を掘り終えると、中から水があふれてき ました。そして、

「ここでも、水が使えるから」

と土の妖精は言いました。土の妖精と岩の妖精は井戸を作ったのです。村人たちは喜びました。 「本当にありがとうございます」

と言って帰っていきました。それから村の水はなくなることはありませんでした。村人たちはそれか ら妖精たちに感謝を込めて、年に一度お祭りをひらきました。今年もまた妖精たちに感謝を込めてお祭 りをひらきます。

さあ、お祭りがはじまるよ。

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