2017年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  谷村 優花

【特別賞】ぼくのおねがい

「校門を出て坂をくだったら、道の横を小川がながれていて、魚がたくさんいたよ」

「それって、いつの話」

と、ぼくはジイジにききました。 「小学校三年のころかなあ」

「ぼくと同じころだ。どんな魚がいたの」 「フナとかハヤとか、いろいろいたなあ」 「ザリガニもいたの」

ジイジは、ザリガニとりをした時のことを思い出して、楽しそうに話してくれました。

夏休みになると、校庭でラジオ体そうがあって、そのかえりには、ジイジはいつもこの小川に入って、

ひとあそびしてから家にかえったそうです。

夜になると、友だちをさそって、ホタルをとりに行ったそうです。 「たくさんとれたの」ときくと、

「いっぱいとれたけど、すぐにしんだ」

「いろんな虫がいたの」

「ああ、いっぱいいたよ」といって、ジイジは虫とりの話をしました。

秋になると、町のまわりをながれている川のはしの上で、トンボとりをしたそうです。そのはしは木

でできていて、あそび場としておもしろかったそうです。

「いいなあ、ぼくもそんな所であそびたいなあ」

ぼくは今、ジイジが小学校にかよっていた町で、ジイジといっしょに住んでいますが、魚がいっぱい

いた小川や、町のまわりをながれていた川は、みんなうめられて、どこにもありません。今は、ぼくの

家の近くを、新しく作られた川がながれています。水がいがおこらないようにと作られた川です。

川は大きくなって、はしもりっぱになったけれど、トンボはあまり見かけなくなりました。

川の水はいつもよごれていて、いろんなゴミがながれてきます。

かみさま、おねがいです。

ぼくたちが川あそびできるような、

きれいな小川を、

ひとつだけ、作ってください。

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