2018年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  大石 亜依

【特別賞】本栖湖の水のめぐみ

夏休みには、必ず水遊びに行く。今年は姉、妹、父、私の四人で山梨県の本栖湖に行った。その日はくもり空でカヌーができなかったので、岸の近くで遊ぶことになった。

ライフジャケットをつけて、湖に入る。水はとてもすき通っていて、水に顔をつけなくても、湖の中が見える。箱メガネで足元を見てみると、大小さまざまなヌマチチブが石の間をスルスルと泳いでいく。みんなでつかまえて、観察させてもらった。手を入れると、吸盤のようなヒレが、手にすい付いてくる。そのあとも探してみると、岩の間にとても大きなヌマチチブがいた。まるで小さい者たちをまとめる主のようだった。今まで見た中で一番大きかった。本栖湖は溶岩の岩もあり、食べ物であるコケもあった。とてもすみやすい環境だから、とても大きく成長できるんだということを感じた。

次にシュノーケルとフィンをつけて、もう少し深い所へ行ってみる。すると、湖の底に大きな倒木がある。その時は少し雨がふり出していた。それなのに、水はとてもすき通っていて四メートルほど下の湖底も繊細に見えた。どれだけ水がきれいなのかを、改めて体感した。まるで静かな世界で空をとんでいるかと思うほどだった。その時、姉が「これを見て」と言った。

姉のもとへ行くと、目の前に巨大な小魚の大群がいた。私をとりかこむようにうしろまで群れをなしている。湖底では、小魚が体をきらきらと光らせながら泳いでいる。その大群は、やがて遠くへと消えていった。その間に、大きなコイが湖の中を悠然と泳いでいた。本栖のあるじのようだった。美しい時間はあっという間にすぎていった。

今回は、三種類も魚を見ることができた。雨がふってはいたが、こんなにも湖の美しさを感じることができたのは初めてだった。すべて、美しくきれいな水がなければできないことだらけだった。水の大切さをこんなにも感じたのは初めてだった。人間も生き物も、水に支えられて生きているのだと分かった私も、ほんの少しでも水をきれいに、大切にしていこうと思った。つかまえたヌマチチブは、大きく育つことを願って湖へ返した。またこの美しい湖に来たい。

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