2016年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  いけだひとみ

【特別賞】未来へ繋ぐ「三和の宝」

「今日ね、三年生の授業で谷内池に俳句の種を探しに行ってきたんだよ」 と、授業中に先生がおっしゃった。

「谷内池かぁ。そういえば、小学校のときにオニバスの自由研究したなぁ」 と僕はどこか懐かしさを感じた。

「オニバスは、水のきれいな水域でしか育たない花」

「谷内池は確か、県内最大規模のオニバス群生地だったよな」

など、小学校三年生の時に調べたことが次から次へと脳裏によみがえった。 「もう一回、谷内池を調べてみたいな」

ぼくは独り言のようにつぶやいていた。

それから何日かたった、ある日の総合学習の時間のこと。「三和区のいいとこ巡り」というテーマで

郊外学習をすることが分かった。一人が一つの訪問先について事前学習をし、当日、班員に説明すると

いう形だ。友だちが言った。

「小学校の時『オニバス』の自由研究をやった快生が、谷内池の発表をすればいいんじゃない」

「よーし、みんなの知らないことをいっぱい説明してあげよう」

と僕は心に強く誓った。それから、大忙しだった。図書館の本、小学校の時の自由研究のレポートを

めくって、説明の準備をした。インターネットでも調べた。いつの間にか、僕は夢中になっていた。

そして迎えた「三和区のいいとこ巡り」当日。予定は順調に進んでいく。僕が担当する谷内池は、僕

達の最後の訪問地だ。

とうとう谷内池に到着。驚いた。ハグロトンボが飛んでいた。

「ハグロトンボは、水のきれいな場所にいるトンボ」と以前、祖母が言っていたことを僕は思い出した。

今年はあまり見かけなかったはずなのに、この日はいっぱい飛んでいたのだ。 「谷内池はすごいなぁ。オニバスもハグロトンボもいるなんて」

と、改めて僕は谷内池の水質が育てる命のすばらしさに感動した。 「快生、説明してよ」

「あっうん。分かった」

「谷内池は水質がよく、県内最大規模のオニバス群生地なんだ」

と、僕は説明を始めのだった。

水が、きれいっていいなぁ。谷内池は、三和にとっての宝だ。しかし、その知名度は低いと思う。外

へと発信し、知名度を上げることは大切だ。しかし、それよりも「どうやってこの宝を守り、未来へ引

き継いでいくか」ということの方が何倍も大切だ。地球温暖化や大気汚染、私達の身の周りには、たく

さんの問題がある。そんな中で、自然を守っていくことは、非常に難しい。「大人に頼らずに、まずは、

自分達で守る」これこそ、「三和区いいとこ巡り」で僕が気づかされたことだ。

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