2009年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  宇佐美 朱理

【特別賞】はじまりはカップラーメン

僕は、とんでもないことをしてしまった。

それは約一時間前。僕は、カップラーメンを食べていた。ズルズル。 「あーおいしかった。お母さん、ラーメンの汁どうすればいい」 「流しに流しといてちょうだい」

お母さんにそう言われたので、僕は汁を流した。すると、ピカー。蛇口が光りだした。僕は蛇口をひ

ねった。一瞬何がおこったのか分からなかった。それもそうだ。蛇口から人が出てきたのだ。その人は、僕に言った。

「わしは、水の神じゃ。わしは我慢の限界じゃ。人間達が水を汚しても大目に見てきたが、もう許せぬ。堪忍袋の緒が切れた」

「ちょっと待って神様。何をする気」

水の神は笑いながら言った。

「ハッハッハ。水の大切さを思い知れ」

ピカー。光ると同時に、水の神は消えていった。

僕は蛇口をひねった。神様が出てくるかなって思って。でも出てこなかった。神様は何をしたんだろう。

僕はピンと来た。

「蛇口から神様が出ないなら水が出るはずないのに、水が出ないんだ。どうしよう。困るよ」

僕は水について考えた。朝起きたら、顔を洗う、トイレをする、朝食を食べた後皿を洗う、歯みがきをする、風呂に入る、手を洗ったり飲んだりもする。一日でどれだけの量の水を使うだろうか。そして、この水がどれだけ汚染されて流れていくのだろうか。考えたこともなかった。汚れた水を流すということを、世界中の人々がしていたら、すぐ水は汚くなってしまう。 「そうだ。まずは、僕達が汚さないようにしよう」

僕はこのことをお母さんに話した。

「そうね。いいことね。お母さんは油を捨てるとき流さずに、紙で吸って燃えるゴミにして捨てるようにしてるわ」

「僕、テレビで米のとぎ汁を庭にまいたりすると、水が汚れないって聞いたことがある」

「初めて聞いたわ。今度からやってみるわ」

そう話していると蛇口が光った。僕は蛇口をひねった。神様が出てきた。

「水の大切さが分かったようじゃの。それだけ分かってもらえれば十分じゃよ。そして、君のような考えを持った人間達が増えていけばよいのじゃ」

「神様ありがとう。水の大切さが分かったよ」

ピカー。水の神は笑いながら消えていった。蛇口をひねってみると水が出た。 「水だー」

今日のこの不思議な出来事で分かったこと。

それは、神様がいるということ、そして、僕達は水とともに生きていること。最後になるべく汚れた水

は流さないようにすること。どうしても流さなければいけない時も、なるべく少なくなるように考える

事が大切だということ。

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