【特別賞】オイラ、川ネコ
オイラ、川ネコ。川の中に住んでる。いつもは魚をとって食べたり、カメと遊んでる。時々川の上を歩
いたり、おどったりする。人間にはオイラが見えない。でも、たまーに見えるやつもいる。だけどオイラ
を見たら、
「カワウソだ!」
といつもまちがうんだ。オイラは川・ネコ!
オイラのなやみは、川にすてられるごみの事。川がよごれて、住みにくいし、だいいち魚がいなくなっ
たりする。今日も川に空き缶を投げたやつがいた。もーオイラはおこって投げ返してやった。
そしたら、その男の子と目があった。オイラが見えるのかと思ったら、その男の子が
「川……ネコ?」
とつぶやいた。オイラを見て、カワウソじゃなくて川ネコって言ったんだ。
いい機会だと思って、オイラは川の中のゴミを川原においた。そして、「ニャー」と一鳴きして、川に
とびこんだ。男の子が何か言ったけど、気にしない。気にしない。
川にゴミをすてるやつはたくさんいる。だからオイラは、小さいゴミだけでも川から出してるけど、ぜ
んぜん減らない。少しでもおいしい魚をとるために、今日もいつものゴミだし。
今は少し休けい中。プカプカしながらお昼ね。下流に流されないように、しっぽに水草をくくりつけ
て。プーカプカ。
「あー、気持ちいいニャアー」
すると、いきなり頭の上から、 「川ネコ?」
と、声がした。そっちを見ると、あの男の子がゴミぶくろを片手に持って、こっちに走ってきた。そう
いえば、あの日からあの男の子が時々川原のゴミを、どこかへ持っていってくれているようだ。
そっかー。こいついいやつなんだ。そうだ魚をあげよう。オレイっていうやつだ。
とうっと川にとびこむ。オイラはスイスイと泳いで、魚に近づいていく。あと、もう少し……とった!
水面からだすと、ビチビチとはねまわる。どうだと男の子に見せると、 「魚?」
とつぶやく。そうじゃなくて、オレイ。受けとれ、と男の子のほうに投げた。 「ワーオレ、魚、大キライ」とにげていった。
ガーン。そんなぁそんなぁ、魚がきらいなやつなんているかーっ!
ま、いいか。魚はオイラが食べるとして、アイツには今度、ザリガニでもとってやるか。
オイラ川ネコ。魚をとって、カメと遊んで、ゴミをひろって、
昼ねして、……。
でも気を付けないと、海まで流されて、海ネコになっちゃう。 今もプカプカ。


