2015年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  関本 修平

【ざぶん文化賞】ふくしまの水

「ふくしまの水は安全です」

まるでキャッチフレーズのようにくりかえされるその言葉を目にしない日はありません。

私の住んでいる福島県新地町は、地震と津波の大きな被害を受け、多くの方々が命を落と

しました。そして今も、東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故による放射能へ対する健

康被害や風評被害に悩まされています。「福島の食べ物」、「福島の水」そんな言葉をテレ

ビで聞くと私は悲しくなります。

私の家族は、祖母がつくる畑で採れた愛情あふれる新鮮な野菜を食べ、水道からでる本当

においしい水を毎日飲んでいます。そして、もちろん元気いっぱい楽しく毎日を過ごしてい

ます。

水は、命の源。水は、食物を育て、生き物の命を育む、なくてはならない大切なもので

す。私たちは雲から大地に落ち、ダムに流れ、田畑にそそいだ水を飲んでいます。

私の父は相馬市の浄水場で働いています。 原発事故で放射能を心配する私たちに、

「相馬の水は安全な水だ」

「おまえたちに安心して飲ませられる水なんだよ」 と毎日話してくれました。

きちんとした検査を受け、水道から流れ出る水を、私たち家族は震災直後も以前と同様に

飲んでいます。

では、なぜ福島県の水には「安心」「安全」という言葉がくり返し使われるのでしょうか。

福島県に生まれ、育ち、この地のために役立つ大人になりたいと願う私には、福島県の水

だけに念を押すように発せられる言葉は、差別感を生み出す悲しい言葉に聞こえます。

風評被害とはなんでしょうか?

「福島県」=「原発事故」=「汚染」につながるイメージが、空気の汚染から水の汚染へと

単純に結びつけているのではないでしょうか。

悲しいことですが、確かに現在も東京電力福島第一原子力発電所からの汚染水の流出の

ニュースは絶えることなく流れています。

原子力は人間が作り出した脅威です。目先の便利さが優先され、全国各地で多くの原子力

発電所が稼働してきました。しかし、自然の力に打ち勝つことはできず、今もなお改修がま

まならない状態です。この不安が何年続くかわかりませんが、美しい自然豊かな福島県、世

界に誇れる私たちの故郷を取り戻すためにも、一日も早い収束を願っています。

豊かな自然、澄み切った青い空と清らかな川、そして海の姿は、今も変わりません。すき

とおった水は人々に活力と笑顔を提供してくれています。マニュアルにそって検査された野

菜や果物、米や水は、自信をもって口にできます。被災地に生きる私たちは風評被害に負け

ることなく、私自身も元気な福島県を発信していきたいと思っています。

全国の皆さん、ぜひとも自分の目と舌で確かめに、私の住んでいる本当の空と水のある福

島県においでください。

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