【特別賞】ドジョウと私とおいしい水
今年の春、とてもかなしいことがありました。わたしの家族「ドジョウ一ろう」がしんでしまったの
です。その少し前から、「一ろう」の体にボツボツができて、わたしのお兄ちゃんと同じにきびかなと
思いました。でも、だんだん元気がなくなって、泳がなくなりました。そして、同じ水そうの金魚にお
なかをつつかれて、あながあいてきました。かわいそうなので、バケツにうつしてあげました。次の日
の朝、お父さんが、
「ドジョウ一ろうがしんでいるぞ」
と言うので、急いで見てみると、白いおなかを上にしてぴくりとも動きません。さい後まで生きの
こっていた「一ろう」とも、お別れの時がきてしまいました。
ドジョウたちと出会ったのは、五年前の夏でした。北と市のオオムラサキ公園で行われたドジョウの
つかみどりにわたしとお兄ちゃんはさんかして、七ひきもらいました。家では金魚といっしょにかうこ
とにして、「一ろう」から「七ろう」まで名づけました。ドジョウたちは水そうの中を元気に泳ぎ回る
ので、金魚たちはだいじょうぶかなあと少し心配になりました。
ドジョウたちの立っぱな口ひげや、まん丸のきょとんとした目があんまりかわいいので、つい「く
くっ」とわらってしまいます。金魚のえさでも、いやな顔をしないで、よく食べます。立ち泳ぎをしな
がら水面のえさを食べる様子は、とてもかっこいいです。ある時は高くジャンプしすぎて、水そうから
とび出してしまったこともありました。水そうがリビングにあるので、わたしがべんきょうしたりピア
ノをひいたりするのを、ドジョウも水の中から見まもってくれていたことでしょう。
水道水はえんそでしょうどくしてあるので、そのまま水そうに入れると、金魚やドジョウがしんでし
まいます。水道水はわたしたち人間はそのままのめても、魚たちにはどくなのです。それにしても、わ
が家のドジョウたちはしあわせだったと思います。毎日おいしいこうふの水の中で泳いでいたのですか
ら。わたしも学校へ行く時は、いつもお母さんに水道の水を水とうにいっぱい入れてもらいます。その
水をのむと、とても元気がでます。
「こうふの水道水は、『平成の名水百せん』にえらばれたとてもおいしい水なんだって。山がおいしい
水をそだてているんだよ」とお母さんが教えてくれました。たしかにわたしの家からまわりを見回せば、
山ばかりです。安全でおいしい水道水がのめるのも、山や森のおかげです。わたしたちはしぜんのめぐ
みをたっぷりもらって、元気に生きているので、そのおん返しにしぜんをまもり大切にしていかなけれ
ばなりません。
食べ物はちがっても、こうふの水道水でいのちをつないできたドジョウとわたしたちは、本当に家族
みたいなものです。五年間、いろいろ楽しかったね。ありがとう。


