2017年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  寺坂 ひとみ

【特別賞】琵琶湖からアユが消えた

琵琶湖のアユがかつてない不漁におちいっていることをテレビのニュースで知った。産経新聞の記事

によると、昨秋にはアユの産卵量が平年値の倍以上観測され、平成二九年初めからの漁でも豊漁が期

待されたが、ふたを開けてみれば漁獲量は二八年の十分の一程度。調査したところ、気候の影響で生育

が遅れているらしいことがわかったが、他にも植物プランクトンの大量発生が影響している可能性も指

摘され、原因の特定には至っていない。

原因は琵琶湖の水質汚染に関係しているのだろうか。しかし、最近では琵琶湖をきれいにするため

に、ヨシを増やす活動や、清掃活動なども行われているし、外来魚を増やさないようにする活動も行

われているので、高度経済成長時代の琵琶湖よりは改善されていると考えられる。

ということは他に原因があるようだ。その後の新聞を調べてみると、今まで琵琶湖にはいなかったミ

クラステリアス・ハーディという植物プランクトンが見つかった。十二の突起を持ち、花のように開い

た星形が特徴。もともとはオーストラリアやニュージーランドなどの南半球に生息する外来種で、琵琶

湖では三〜四年前に見つかった。昨秋には大量発生し、湖内で生息する植物プランクトンの八割を占め

るまで増えた。国内の湖で大量発生が確認されたのは初めてだった。

このプランクトンの大量発生後、アユが少なくなったので、このプランクトンが真犯人であると疑わ

れている。このプランクトンは通常のプランクトンの三〜五倍。このため植物プランクトンをエサとす

るミジンコはエサが大きすぎて食べられず、ミジンコが食べていた小さい植物プランクトンはミクラス

テリアス・ハーディの大量発生で繁殖せず、食べるものがないミジンコは減少してしまった。そのため、

ミジンコを食べる稚鮎が減少してきたと考えられる。

戦後の開発で砂浜が消え、下水道の整備で生活排水の流入が減り有機物が不足する「貧栄養化」も懸

念されている。衛生面から下水道が整備され、安全面から湖岸はコンクリートと棚が作られた。人間の

よりよいくらしのために、生態系がくずれていることをずっと考えなければならないと思います。

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