2008年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  木瀬 浩詞

【ざぶん環境賞】命と水

 

「また今日も晴れ?」私は、最近あせりを感じています。晴れの日が嫌いなわけではあり

ません。でも、毎日三十五度を超え、新聞でも節水対策という文字をよく見かけるようにな

りました。家の庭の草木を見ると、葉っぱがしおれてしまっていて、可哀相でした。温帯気

候の日本が、いつのまにか熱帯になったようです。このままいくと、本当にダムの水がなく

なってしまうのではないかと不安です。

 

私は、生まれてから一度も断水の経験がありません。蛇口をひねれば、すぐに水が出てく

るのが、私にとってあたり前でした。でも、これはとてもぜいたくなことだと思います。

 

世界では、十億人以上の人々が、安全な水を手に入れられずにいるそうです。例えば、ア

フリカのマリでは、五歳になる前に、四・六人に一人の子どもが亡くなり、下痢は死亡原因

の約十五パーセントにものぼっています。もちろん、感染のもとになるのは、よどんだ水で

す。日本では、あたり前の透明できれいな水が、そこでは簡単に手に入らないのです。

 

また、干ばつが続くエチオピアやケニア、洪水によって汚水が溢れ出すバングラデシュや

ハイチも同様です。そのような国の子どもの数は四億人にのぼり、日本の総人口の四倍の子

どもたちが水で苦しんでいるのです。全く想像していませんでした。

 環境問題では、水が主役です。地球温暖化によって南極の氷が融けて海面が上昇し、島全 

体が沈んでしまう国も現れています。私たちはもっともっと水のことを考えていかなければ

なりません。そもそも、生きているということ、生命とは何なんだろうと考えさせられます。

 

人間は水さえ飲んでいれば二、三週間は生きられるそうですが、水も飲まないと二、三日

で死んでしまいます。つまり、それだけ水は人間と切っても切れない関係なのです。地球上

に生命が誕生したのも、水が必須条件でした。水は体の中を循環しています。まるで、人間

の生命も地球と同じように、水のおかげで絶えず循環が維持されているから、生きていられ

るかのように思えます。

 

水は、手ですくってもすぐこぼれ落ちてしまうように、いつもその形を変えていきます。

雨は川に流れて、海に注ぎ、そこで蒸発し、また再び雲になります。池も海もとても魅力的

ですが、私は岸辺に立って、川の流れを眺めるのが好きです。私たちは春と秋のお彼岸に、

必ずお墓参りをします。日本人は、川の向こうに先祖がいると考えていました。昔から水と

命の関係を知っていたのでしょうか。

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