2005年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  野小生 真実

【奨励賞】美しい錦川を守るために

 

私の住む岩国市には、清流錦川が流れています。私は小学校低学年の頃から、様々な水遊

びを通してこの錦川に親しんできました。

 

一番の思い出は、「トム・ソーヤの冒険」と称してライフジャケットを着、ナップサックを

背にしてトム・ソーヤばりに、川の中を二鹿の上流に向かって逆のぼったことです。その中で

私がとても印象的だったのは、大きな岩場で休んでいる時に数人で魚獲りをしたことです。

魚釣りではなく魚獲りです。がんばって捕まえようとしなくても魚のほうから近寄ってくる

といった感じでした。あの時の新鮮な驚きは、四、五年たった今でも鮮明に覚えています。今

年の夏にも二鹿の上流、梅津の滝で思う存分遊びました。森から流れてくる雨水が集まり、

滝となって流れ出した滝つぼに、がけからジャンプして飛び込んだり、ターザンロープでジャ

ンプしたりと、本当に心ゆくまで楽しみました。

 

その夜は二鹿のキャンプ場でテントをはって一泊しました。キャンプといえば楽しみなのは

食事。設営されている調理場で、私達は焼肉の準備をしました。普段は自分の家で調理の手

伝いをする時には、それほど意識はしませんでしたが、今自分が錦川のほぼ上流にいる││

という感覚は私を「この川に小さな野菜くずもぜったいに流せない」という気持ちにさせま

した。野菜くずは新聞紙にくるんで炭といっしょに灰になるまで焼く、スープなど調味料で

味つけしたものは、必要な分だけつくり、それでも余った場合は容器に入れて持ってかえる

など、大人の人といっしょに出来る事を考えたりしました。

 

こういうことを経験すると、普段の食生活を振り返るきっかけにもなります。私の家では

毎朝必ず味噌汁を食べますが、おわん一杯の味噌汁を浄化するのにはバケツ三十杯ぐらいの

水が必要といことを以前聞いたことがあります。余った味噌汁を下水に流さないためにも、

家族が必要な分だけを作るということが一番良い方法だと思います。

 

また、祖母の家ではお米のとぎ汁をバケツにとり、畑の野菜や庭の草木に水のかわりに

まくのです。植物にとって米のとぎ汁はとびっきりの栄養剤。川を汚すこともなく植物も喜

ぶ、一石二鳥の知恵に「さすが、人生の先輩。」と感心しました。このような事は一見簡単な

ようですが、毎日続けるとなるとなかなか難しいものです。この夏のキャンプの経験を活か

して、私の出来ることから始めていこうと思います。

 

さて、私は環境問題についての資料を調べているうちに、セヴァン・カリススズキという

環境活動家に出会いました。セヴァンが一躍注目を集めるようになったのは、一九九二年ブラ

ジルのリオ・デ・ジャネイロ市で開催された「地球環境サミット」でのスピーチです。

「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください」

当時十二才だった少女の訴えは大人達に感銘を与えました、現在彼女はNGOスカイ

フィッシュ・プロジェクトの代表でもあり、「個人のライフスタイルに責任を持つことから始

めよう」という自分自身へのエコ宣言を発表しました。例えば、車を利用するとき、その便 

利さとひきかえに排気ガスで空気を汚染していることを、私たちは自覚しているでしょうか。

自宅の台所から流す洗剤や油が海に流れそこに住む生命を蝕むことをわかっているのでしょ

うか。まずそういった自分の行為に伴う責任を、まず認識することから始めよう││という 宣言です。

 

セヴァンさんの言う、自然環境に対する自分の責任を意識しながら、これからも故郷の美

しい錦川に愛着を持って生活していきたいと思います。

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