2008年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  白川 郁栄

【特別賞】海の優しい心

 

私はある日、考えた。もしも、海がこの地球に存在しなかったら、海が生命を誕生させる手助けを拒ん

だら、今の自分はどうなっていたのだろう、と。

 

この地球に今、たくさんの命があるのは、すべて海のおかげである。海がなければ、生命は生まれては

こなかった。海がなくなり、水がなくなれば、生き物はここまで繁栄し生き続けることはできなかった。

 

海はどうして、生命を誕生させることの手助けをしたのだろう。今となっては、自分を汚し続ける人間

を生むことにつながるのがわかっていただろうに。

 

きっと海には、とてつもなく優しい心が存在しているのだろう。すべての生き物をありのままに包みこ

む優しい心が。海は、いざとなったらすべての生き物を絶滅させるだけの力を持っている。しかし、今まで命が地球から消えることがなかったのは、海が優しさを持っていたからだと思う。すべての生き物を拒絶せず、いつまでも見守り、与え続ける優しさ。

 

そんな海の優しさを、人は知らない。どうして今までその優しさに気付けなかったのだろう。どうして

他の人もその優しさに気付けないのだろう。海はずっと与えてくれていたのに。

 

どうして人は、海ほどの優しさを持っていないのだろう。海はどんな命も拒まなかったのに、どうして

人は同じ人の命でさえも拒み続けるのだろう。

 

考えていたら、涙が出てきた。人の愚かさに。そして自分の情けなさにも。自分は海の優しさに気付い

たのに、それを人々に教えることのできない力のなさに。

 きっと海も泣いているだろう。自分が育てた命でありながら、あまりにも愚かな人間に泣いているだろう。

 

けれど海は、人間を見放さない。どんなに人間に失望しても見放さなかった。その心のなんと広いこと

だろう。なんと温かいことだろう。

 

人は海に感謝し、自分たちの過ちに気付き、海に恩返しをするべきである。今、人が海に何かをすると

したら、まず人を愛すること。そして、すべての生き物を愛すること。そうすれば、海の心を安らかにしてあげられるだろう。そして海を愛すること。海を愛することができれば、きっと海はこれからもこの地球に存在するすべての命を見守り続けてくれる。

 

人は、すばらしい頭脳と行動力を持っている。今、地球上の生き物すべての代表として、人間は海に恩

返しをするべきだ。そのようなことを考え、行動する力を与えてもらったのは、人間だけなのだから。

 今、自分があるのは海のおかげ。今、自分が生きていることができるのも海のおかげ。今、人は優しさを持って海に恩返しをするべきだと私は思う。

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