【ざぶん環境賞】「竹田の山水」について
わたしの家では、お茶や氷を作るのに竹田の山水をよく使っています。父や二人の姉やわ
たしも、冷たくておいしい竹田の山水が大好きです。
初めて竹田の山水のことを教えてくれたのは、祖母です。祖母の家に遊びに行ったときに、
「竹田の山の水やけど、試しに飲んでみね」とペットボトルに一本分けてくれたのです。
それを飲んだ父が、
「冷たくておいしいな。体に良さそうだ」
と言ったのがきっかけで、よくくみに行くようになったのです。
最初、何でも夢中になってしまう父は、山水の出ている場所を祖父に教えてもらい、二十
リットルのポリタンクを二つも買って、さっそく次の休みの日に竹田の山に向かったのです。
水が満たんに入った、重いポリタンクを二つも持って帰った父は、
「じいちゃんに聞いたとおりに行ってみたら、水が出ている場所がすぐに分かったよ。着い
たときはだれもいなかったけれど、水をくんでいたら、次から次へと人が来て順番を待って
いたぞ」
と、とてもうれしそうに話し、母や私たち三姉妹に飲んでみるようにすすめてきました。
そんな父を見て母は、
「そんな往復一時間以上もかけて。どうせめんどうくさくなって長続きしないよ」
と笑っていたのですが、父が竹田の山水をくみに行くようになってから一年たちます。冬
の雪の多い季節にはほとんど行かないけれど、温かくなるにつれて父が水をくみに行く回数
が増えていきます。
わたしも何回か父といっしょに水をくみに行ったことがあります。そこに行くと、おいし
い水を手に入れることができるほかに、いろいろな人と出会うこともできるのです。
たまにいっしょになることがあるおじいさんとおばあさん、石川県からわざわざ出かけて
くる人、水のことについてくわしく教えてくれる人など、今までにもいろいろな人と話をし
たり、話を聞いたりすることがありました。
みんなおいしい水がほしくて、わざわざ山の中までやってくるのです。水をくむのに時間
はかかるけれど、順番を守らなかったりけんかをしたりする人はいません。くみ終わったあ
と次の人に、 「はいどうぞ」とか、 「おまたせしました」
などと声をかけてくれる人がほとんどです。わたしはそんなふうに言ってもらえると、と
てもうれしい気持ちになります。だから、わたしも次の人に同じような気持ちになってほし
いので一声かけたくなります。
あるときはこんなことがありました。何人かが水をくんだり、順番を待っていたときに、
一人のおじさんが
「ちょっとこれ見て!こんなことしたらあかん。自然がよごされるんや」
と、だれかがなげて行ったゴミの入ったふくろを、迷わくそうに手に持ってみんなに話し
かけていました。
わたしはこの人は竹田の山水が大好きで、大切にしたいから、こんなにおこっているんだ
なと思いました。自然を大切にしたいと思う気持ちに感心しました。
最初のころは、ただ山水がめずらしくて父についていっていたけれど、近ごろはそこに集
まるいろいろな人と会えることが楽しみで行っているのです。おいしい自然の水のおかげで、
たくさんの出会いがあって、とてもとくした気持ちになります。 みなさんもでかけてみませんか。


