【特別賞】海は生命の母
むかしむかし、まだ地球ができてまもないころ、海の中ではじめての生きものがうまれました。その名
前は原始生物といいます。ある日、一ぴきの原始生物が言いました。 「おいらたち、もっといろいろなところへあそびに行けないかな?」
そのころの原始生物たちはあそびたがりやでしたからね。そこで、からだを動きやすい形へ変えていき
ました。速く水の中を泳ぐためのひれ、水の抵こうがないスマートなからだ。そう、今の魚の形にそっくりです。その新しいからだで、みんないろいろなところへあそびに行きました。 しばらくして、また違う原始生物が言いました。
「おいらたち、水の外の世界へ行ってみたいんだけど…」
そこで、一部の魚の形をしていた原始生物がひれを足に、えらをなくして肺をつくり、外の世界へ旅
立っていきました。おくびょう者もいましたがね。
さて、外の世界は素晴らしかったことでしょう。まっさおな空、キラキラかがやく海、ギラギラと照り
つける太陽、本当にステキでした。
初めて陸にあがった子の名前を「マリン」といいました。マリンは小型ほ乳類として生き始めました。
マリンのまわりには危険がいっぱいです。ギラギラ光るするどい歯をもった恐竜、チロチロと赤い舌を出しているヘビなどが、いつも自分をねらっています。おそろしい毎日でした。
ある日、ドーンと大きな音がしたかと思うと、あたり一面火の海となりました。マリンはあわてて逃げ
出しました。もうだめだと思っても、あきらめられずに走り続けました。
寒くなってきました。チラチラと雪がふっています。へとへとになったマリンは、土の中に穴をほり、
そこでぐっすりと寝ました。
マリンは目を覚ましました。外に出ると、すっかり暖かくなり、おそろしい恐竜はもういませんでした。
マリンは、からだの形を変え始めました。手足には五本の指、長いしっぽをつくりました。そして、木
にのぼり、大好物の木の実も食べました。
ある日、マリンが外を歩いていると、おいしそうな実がたくさん実っている木を見つけました。
「おいしそうだなあ。でも、どうやってボクが住んでいる木の上に運ぼうかな?一つ一つ運んでいると
時間がかかるし、でも、四本の足で歩くから…」
マリンは悩みました。悩んで悩んで、ひらめいたのが、
「そっか、二本足で歩いて、残りの二本の足と口で、木の実を持とう」
なるほど!そうすれば、一回に三個の木の実を運べますね。マリンは、木の実を三個も持っておいし
く食べることができました。
その日から、マリンは二本の足で歩くようになりました。そのようにして、マリンは原始生物から人間
へ進化していったのです。
よく、海のことを「生命の母」といいますね。なぜだか分かりましたか?海は一番最初の生命の産み
の母なんです。海は、全部の生命のお母さんなのです。
マリンは人間になり、しばらくしてから海へ帰りました。海はやさしくマリンを迎えてくれました。マ
リンもお母さんのもとへもどって、とても幸せそうでした。


