2007年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  塚田美登里

【特別賞】水の話

日本のある冷蔵庫の中で三種類の水たちがなにやらはなしをしています。

「寒いよ、寒すぎ。冷風きすぎ・・・まったくこれだから家庭用冷蔵庫は・・・」

ブツブツと文句を言っているのはミネラルウォーターです。 「まぁまぁこの冷蔵庫古いらしいし」

とミネラルウォーターをいさめているのはなぜか冷蔵庫の中に入っている水道水です。

「・・・・・」

それを見守っているのは冬作った雪ダルマのとけのこりである泥水です。

「僕は君らよりもミネラルほうふで高級なんだ。君達とは、違うんだよ、特に泥水」

「・・・・・」

泥水は押しだまっています。

「君は僕達と違ってのめないしね」 「そんなことないよ」

ミネラルウォーターは水道水にききます。 「なぜだい?」

水道水は答えます。

「どんな水だってめぐりめぐっているんだ、地球の恵みとして。だからどんな水だって同じ

だよ」

ミネラルウォーターは首をかしげます。 「カルキくさい水に言われたくないね」 「ムカッ」

二種類の水はにらみ合ってしまいました。ここで泥水が口をひらきました。

「僕みたいな泥水でも地面から蒸発して、空に還るんだ。そこから海へいってめぐっていく、

僕も君も、君も、もともとは違う姿だったんだ」

「水から氷、水蒸気に変わってこの地球をうるおしている。どんな形でも水がなければいけ

ないってことさ・・・・・」

ミネラルウォーターが言います。

「そのためにも人間には水を大切にしてほしいね」

水道水もいいます。

「僕もそう思うよ。水道を出しっぱなしとかにはしてほしくないね」 泥水がいいます。

「地球の七割が海なのに、のめる水はたったの一・一パーセント・・・・・どれほど水が大事

かわかるよね」

冷蔵庫のとびらがひらきます。「ねーねーお母さん、この泥水もうすてるねー」 子供の裏から

母親の声がきこえます。

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