【奨励賞】水と命について
僕が毎日学校に通っている道に、お地ぞうさんがまつられています。それもそんなに離れ
ている場所ではないのに三ヶ所もあるのです。いつもきれいにされ、花も活けられているので
す。ときにはせんこうの臭いも残っている道を、小学校のころ歩いて学校に通うのは、気持ち
の良いものでした。
でも、不思議でした。そんなに離れていない所にお地ぞうさんが三ヶ所もあるのは、あま
り見た事がないからです。不思議に思って祖母に聞いてみると、台風で、てっぽう水が出て、
道がすんだんされ多くの人が家を流され、人も流され亡くなったとの事でした。その人達の
為にお地ぞうさんをたてて霊をまつってあるとの事です。台風の恐さはテレビでみて知ってい
るものの、僕の身近でもそんな悲さんな事がおきていたとは、おどろきでした。
水はなくてはならないもの、生きていく為に、大切なものです。いつも静かで、やさしい水
音にはげまされているのに、いったんあれくるうと、人間の命も財産もうばってしまうのです。
僕は川の流れが好きです。幸い僕は自然がいっぱいある所で、いえ、ありすぎる所で暮ら
しています。水の恩恵をいっぱい受けています。
祖母の実家は農家で、田んぼをたくさん作っています。梅雨に雨がふらなければ苗は出来
ません。でも多すぎてもダメなのです。そして家の水も井戸水です。調査してもらったら、深くほってあるため雑きんなど全然い
なくてとても良い水だったそうです。冬はあたたかく、夏はとっても冷たいその水は、わが家
の自慢です。
地震の時、給水車で水は供給して下されるので、ポリバケツを持ったり、タンクやペット
ボトルに水をくんだりしている人を見ました。水がなければ三日と生きていけないのです。
でも僕は水のありがたさも恐さも実感できませんでした。雨がたくさんふった後、川の水
は赤茶色になって増水し、ゴオーゴオーとすごい音をたてて流れます。そんな川に何も感じ
ませんでした。
地域で自然を美しくすることに一人のおじさんが川の草かりをして、草でおいしげっていた川
をきれいにして下さいました。
そのおじさんはいつも一人で草をかっているのです。僕には出来ない事です。
その一人のおじさんが始めた、川の草かりがみんなを動かして、通津川をきれいにする会ま
でできました。僕は感動しました。ホタルがたくさん飛びかっていたのです。
昔はもっとたくさんのホタルがいたそうです。
クーラーもなく川の水もきれいで、子供が道路から飛び込みをしても大丈夫なほど深かっ
た川も、今は浅くなり、昔の川の美しさはなくなったそうですが、僕がもっともっと大きくな
るころには、昔の川のようにたくさんホタルが飛びかう川になっていたらと願います。


