【奨励賞】~未来へ届け水しぶきの音~
私の住む町は、ほぼ一年中「漁業」に明け暮れている「漁師町」である。
特に夏の間は、「昆布漁」「マグロ漁」など漁師達の船を、遠く離れた家の窓から眺めるよ
うに見ていた。
漁師達の船は海の上にあるのにも関わらず、キレイに整列してあり、まるで海の上に宝石
でも浮かんでいるかのようにも見える。
真夜中の海上で繰り広げられる「マグロ」との難戦。荒波に打たれる船に乗り、煌々と光
る電球の灯りに包まれながら、海中で暴れ狂うマグロ達に「命」を賭け、縁の下の力もちと
して支えてくれる家族が「マグロ漁師」である。
私の親友にも、家族が「マグロ漁師」という人が数名いる。その中の一人が
「マグロ漁はギャンブルのようだ」
こんな例えをするのだ。それもそのはず、マグロがあたれば大きいが、あたらなかった時の損
もそれ以上に大きいからだ。
その親友は、とても家族思いである。授業が終わると「海」をみて
「もう船戻ってきたかな・・」
といつも気にかけている。船が戻ってきたのを確認した時は、安堵の表情を浮かべる。その表
情を見るたび、私もついつい笑みを浮かべてしまうのだ。家族っていいなと改めて実感する瞬
間でもある。
私の家でも、夏になると「昆布漁」を始める。「昆布漁」は、今は亡き祖父の仕事であった。
しかし、祖父が他界した後、父と私たち兄弟がその仕事を受け継ぎ「副業・趣味」として行っ
ている。父は本職があるので、夏休み期間中や、自分の休みを利用して「昆布漁」に専念す
るのだ。海の上に立つと、他の船が群れを成すように溢れ返っており、緊張感と期待で胸がいっ
ぱいになる。しかし、ガラスを通して「海の世界」を見ると、そこはまるで別世界のように
広く大きなところであった。「青くキラキラと輝く漁「」優雅にプカプカと浮かぶクラゲ」など、
様々な生物との遭遇もある。しかしその一方で、「錆びあがった空き缶」や「変色したビニル」
など、心が痛む「ゴミ」も多く浮かんでいる。
私達はたくさんのものを「海」(自然)から恵んでもらっている。しかし、私達が海へち返
すのは「ゴミ」や「汚水」など、「海」にとって「害」になるものばかり。
これからも「漁師町」という看板を背負っていくのであれば、海(自然)への「感謝の心」
「償いの心」を持って生活するべきである。「千里の道も一歩から」というように、まずは一人
ひとりの心がけからスタートすること、いつかその輪が広がり「皆の心」そして「海」(自然)
へとつながるだろう。
「ざぶん、ざぶん」と水しぶきの音を立てながら・・・。


