2005年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  白岩玲子

【奨励賞】海と僕

海がうたった

「わたしはあなた達を生み出しました」

僕はこたえた

「偉大なる母よありがとう」

海がおこった

「何故その恵みを忘れわたしを汚していくのか」 僕はこたえた

「いいえ忘れてなどいません」

海がゆらいだ

「ならばなぜわたしを汚す」

僕はこたえた

「よりよくなろうとするからです」

 

海がなげいた

「よりよくなろうとするために汚さなければならないとはどういうことだ」

僕はこたえた

「何かを得るためにはどこかで何かを失わなければならないのです」

海がさけんだ

「人間どもは、両方を得ようとするから醜い」 僕はこたえた

「いいえ違います。偉大なる母よ」

「人間たちは両方得ようとする代わりに、選び分担しようとしているのです。その

分担はどのようであれ、あなたを大切にしようとする気持ちは一緒です」

「人間は確かに醜く、格好悪いかもしれません。でも心の奥底では、あなたを敬い

 

守ろうとしているのです」

「だから見捨てないでください。最後まで見守っていてください。まだ結果がどう

なるかなんて分からないけれど。まだ、まだ、僕たちは負けてなどいません。だから、

もう一度僕たちにチャンスをくださいませんか」

海は答えた

「あなたたちを信じたい…」

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