2005年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  中田雄一

【奨励賞】海の優しさを伝えたい

「水は普段何気なく使っているけど、学ぶべきところはたくさんあるんだよ。流れる水はた

とえどんな障害物に出会っても、サラリと回って流れ続けていくだろう。人間はすぐに何か

にとらわれて悩んでしまうけどね。時には流れに身を任せてみてもいいんだよ」

この祖父の言葉は、私の肩の重荷をとってくれたような気がしました。

 

中学生になったばかりの頃、勉強や部活に追われる毎日で、充実感を感じていた一方で、

全てが中途半端であるような気がしてとても不安でした。でも、「時には流れに身を任せる」

という言葉は、

「そんなに頑張り過ぎず、肩の力を抜いてみなさい」 という祖父の思いが伝わり、安心できました。

 

実際、「水」に救われたのは私だけではないと思います。イライラしている時に冷たい水を

飲むと、体中のもやもやが一気に水と一緒に流れていくように感じる、という人もいるのでは

ないでしょうか。他にも、悲しい時に海に向かって叫ぶというのは映画やドラマでもよくあります。

ところが今は、海岸はごみだらけです。水も、家庭からでる洗剤や油によってどんどん汚

くなっています。確かに今でも「青い海、白い砂浜」という海もありますが、「汚い海、ごみ

だらけの砂浜」という海が増えてきています。それに、海は人間のものだけではないはずです。

魚、海藻、クジラやイルカ・・・数えきれない程のたくさんの生命が生きています。生物の

母とも言える海を、私たちが汚す権利はないはずです。

 

それにしても海は不思議なものです。ごみを投げ入れられたとしても、毎年に夏には私た

ちを遊ばせてくれるし、いつでも変わらず波打っているから。でも、だからこそ気付かないの

かもしれません。海が、自然が、地球がだしているSOSに。

 

このまま行くと、私たちの子孫は海や水をきれいだと思わないようになるのではないでしょ

うか。私は、水の自由さを、海の優しさを後世の人々に感じてほしいです。そのために今で

きることは何かな、と考えることが海を守る第一歩につながるのではないでしょうか。

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