【ざぶん環境賞】大震災と生きる水
水。それは私たち人間、いや地球にとって必要不可欠ななくてはならない存在です。
大地を生き返らせ、緑と動物に生命を与え、人間ののどの乾きをいやす、この惑星の「心臓」
と言っても過言ではないと思います。そんな、私たちにとって大切な水の恐怖を始めて知ったの
は二年前の春、あの恐ろしい震災の時でした。
大きな揺れと共に私たちの故郷を襲ったのは、目を疑うほどの大きな津波でした。大熊町の町
中に住む私たち家族は幸いにも津波の被害は免れましたが、海岸部の地域は壊滅的な被害を受
けました。大好きな故郷を飲み込んだのは、私の知っているキラキラと輝く優しい海ではありま
せんでした。「悪い夢を見ているのでは?」そう思い顔を洗おうとしても、できません。なんと、
地震の影響で断水していたのです。初めて水が暴れるのを目の当たりにし、初めて水が生活から
姿を消して、私はどうしたら良いか分かりませんでした。原発事故で避難をすることになった私
たちは、先の見えない避難生活を余儀なくされました。長い、長い避難生活の中で久し振りに
「水」と再会しました。その時の水は地震の時とは全く別のただの水でした。美味しくて、美味
しくて涙が止まりませんでした。水は生き物と変わりありません。人間の命を救う武器になるこ
ともあれば、津波や水難事故のように時おり人や建物、大切なものを奪う凶器となってしまいま
す。そうならないためにも、私たち人間が動くべきなのではないでしょうか。大切な水を守るた
め、恐ろしい水を止めるために、水を使う者の一部として私たち人間が考え、決断し、実行して
いかなければならないのです。それが私たちの責任でもあるのです。
東日本大震災は、私たちに水の本当の恐怖と、本当のありがたさを教えてくれました。近いう
ちまたあのような大きな災害がやってくるかもしれません。その時、津波で亡くなる方が一人で
も出ませんよう願っています。


