2006年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  竹村友里

【奨励賞】やさしさに守られた庭

「ウヮー。今年も会えてよかった」

私は、毎年夏休みに、おじいちゃんの家の庭で、ホタルを見るのを楽しみにしています。今年も、ホタ

ルも川もキラキラです。

ホタルの数は、水の環境と、その年の天気や気温にもよりますが、七月の中頃から八月の初めに見る

ことができます。でも、おじいちゃんの庭は、それだけではありません。大きな池があって、川が流れている庭では、一年を通して、いろいろな生き物を見ることができます。

春には、水ばしょうやカタクリが一面に咲いたり、カモやキジが子育てにやって来たり、渡り鳥が池で

羽を休めます、冬には、リスも遊びに来ます。小さい頃から、それを見ていた私は、普通に思っていま

した。でも、自然はかいなどの話を聞くたびに、毎年、くり返して見られる事は、すばらしいことなん

だと感じてきました。

おじいちゃんは、庭の手入れをする時、ホタルの出る場所や、野鳥が子育てする場所は自然のまま残

したり、川にキレイな水がちゃんと流れてきているか、確かめたりします。その、毎日の積み重ねがとても大切で、そのおかげで、すばらしい環境が守られていて、私は、毎年かわらずに、たくさんの生き物に会うことができるのだと思います。水を中心に、生き物が集っているのです。

おじいちゃんの庭の上にも、大きな道路ができたり、これから、近くには、新幹線の線路がつくられ

ようとしています。そのニュースを目にするたび、私の心は、何だかせつなくなるのです。
生活が便利になる一方で、自然のバランスはくずれます。私が見ているホタルも、お母さんが小さい頃

見ていた数とは全然ちがうそうです。まるで星が降っているかのように。クリスマスのイルミネーションのように。そんな様子を、私は見ることができないかもしれませんが、 「少しでも長く、生き物にやさしい庭が守られますように」

と、願っています。

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