2008年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  船木大輔

【特別賞】ももちゃんの水探し

 

夏休みのある日、三才のももちゃんがお庭でプールで遊ぶ準備をしていました。プールの水はなかなか

たまりません。待ちきれなくなったももちゃんは考えました。 「お水はどこからきているのかな?」

すると…あら不思議!お母さんが魔法使いに変身しました。水がどこからきているかを調べるため、魔

法でお母さんとももちゃんは小さくなりました。

 

ここは琵琶湖。お母さんの魔法で小さくなった二人は、おもちゃの潜水艦に乗って、旅に出ることにし

ました。

「お母さん、なんで琵琶湖におるん?」

「あんな、水道から出る水は琵琶湖からきてるからやで」

 

琵琶湖を少し下っていくと、川に入りました。淀川です。しばらく進むと、水を取り入れる取水塔とい
う浄水場の配水施設に入りました。 「お母さん、ここはどこ?」

「浄水場という水をきれいにする所やで。そしてここは水を取り入れる取水塔という所やねんで」

(お水を取り入れてきれいにしていくんやな、きっと)ももちゃんは思いました。

 

少しいくと、ちんさ池という所に流れていきました。

「お母さん、ここは何する所?」

「ここは小さいごみや砂を取りのぞく所やで。もう少し行けば、ちょっと水がきれいになるんちゃうかな」

色々なものを見て回るうちに、ももちゃんはつかれてウトウトし始めました。

「ももちゃん!もう少しで最後やで」  

お母さんに呼ばれて目が覚めたももちゃんがふと下を見ると、砂が少し貯まっていました。どうして?

なんで?と思ったももちゃんに、お母さんが教えてくれました。

「あんな、ももちゃん。ここは急速砂濾過池っていう砂や石でできた所やで。そこに水を通して、もっときれいにするねんて」

「そうなんや。ももちゃん、お水もお砂で遊ぶのかと思った」

 

あと三つの配水施設を通り、配水池に流れていきました。

「ももちゃん。ここが最後やで。できあがった水を溜めておく配水池っていう所なんやって。もうちょっとでお家に着くで」

「よし!もうちょっとでプールや。早く着かんかなぁ」

まわりと見ると真っ暗。ももちゃんとお母さんは配水管の中に入りました。 「キャー!」

ジャッバーン!

 

ももちゃんは目を覚ましました。そう、これは全部夢だったのです。

「お母さん、ももちゃん、なんでここにおるん?冒険は?」 「えっ、なに言ってんの?ももちゃんはずっとお昼寝してたんやで」 「そうなんや…」

 

ももちゃんはこう考えました。

「ももちゃんとお母さんの冒険は夢だったんだ。でも、お水をきれいにするのは本当だと思うな。お水

がなかったらプールもできないんだ。だから、そうだ!お水を大切にしよう。みんなが大切にしたら、

いっぱいお水で楽しいことができるし。このこと、みんなにも広めていこうっと!」

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