2007年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  千葉 知司

【奨励賞】水のドーム

ベランダの草花たちにみずやりをするのは、私と妹の仕事。私の家のベランダにはいろいろな草花があ

る。妹が毎朝さくのを楽しみにしている朝顔、おじいちゃんがくれたハッピーハッピー、お母さんが大切に育てているハーブ。朝起きてまずはじめに草花たちに私と妹は水やりをする。草花たちは、まるで私と妹を待っていたかのように、たくさん水をのんで元気になる。

早く起きた朝、葉っぱの上に大きなぷくっとまんまるな水のかたまりを見つけた。葉っぱはおもそうに

おもそうに、水のかたまりをのせてあげている。私はぷくっとまんまるな水のかたまりの中に入ってみたくなって、「おじゃましまーす」ととびこんでみた。水の中は思っていた以上に広くて、とうめいの大きなドームの中にいるみたい。水のドームは太陽の光をあびてキラキラキラキラ、まるでほうせきのよう。

シーンとしずまりかえって何の音もしない。

私が「わっ」とさけんでみたら、私の声だけが水のドームいっぱいにひびきわたった。すきとおった

水のドームの中にいると、心の中まですきとおって、私の心の中に住んでいるあくまはすっかり消えて、とってもやさしい気持ちになれた。いやなこともわすれてしまったの。水ってふしぎ。水の力ってすごいなあ。

とつぜん雨がふってきた。パーンと水の大きなドームがわれて、私は水といっしょに葉っぱのすべり台

をころげおちた。あれ?雨はぜんぜんふっていないけれど・・・ぼーっとしている私のよこで、今日も

妹は水やりをしている。草花は、いっぱいいっぱい水をもらって、今までで一番元気に見えた。

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