2007年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  青木有理子

【奨励賞】打ち水と打ちとぎ汁

ここ数年、国も地方公共団体も、こぞって、『打ち水』を勧めています。我が家も、もう八年、『打ち

水』をし続けて来ました。しかし、私は、勧められれば勧められるほど、疑問を、強く感じて来ました。

温暖化と何が関係あるのか、わからなかったのです。また、ヒートアイランド化が進んでいる都心に、水をまく行為自体、『焼け石に水』に思えてしまうこともありました。

そこで、私は、思い切って、専門家の理化学研究所の古沢先生に、質問をぶつけてみました。先生は、

おっしゃいました。

「水が蒸発する時、確かに、その場の温度は下がります。汗をかいた時に、乾くと体温が下がるのと同

じです。しかし、あなたの汗が蒸発しても、あなたの家は涼しくならないでしょう。それは、汗が蒸発した時に、汗が奪った熱が、今度は、あなたの家の空気中へ移っただけだからです。ということは、『打ち水』で水をまいても、そこの温度は少しは下がりますが、別の所が熱くなってしまうということです」

私の疑問に、科学的な論拠がつきました。

そこで、我が家は、数日間、『打ち水』を続けるか話し合いました。母が言いました。

「『打ち水』自体、悪いことではないと思うわ。涼しくはなるもの」

兄が言いました。

「それが、間違い。涼しくなるだけでは、二酸化炭素の排出量は変わらないよ 私が言いました。

「でも、『打ち水』は、水という地球の資源を再利用するという点では、すごいと思う」

父が言いました。

「打ち水を、花壇に向けてしたら、どうだろう。植物の活力を増すことになるよ」

こうして、『打ち水』は、続行となりました。 話題が広がりました。私が気になっていたことでした。

「家庭科で習ったのだけど、お米のとぎ汁って、川や海に悪影響を及ぼすらしいわよ。何か、使い方、ないか」

「とぎ汁を、油みたいに、紙にしみこませて捨てるのは、ちょっとむずかしいわね」

「だったら、草花にあげてみたら。川や海では、富栄養化してしまうけど、植物には、貴重な栄養にな

るんじゃないかな」

こうして、我が家では、新たに、米のとぎ汁を、シンクに捨てないで、ためて、じょうろから、植物に

あげることにしました。『打ちとぎ汁』です。

『打ち水』と、『打ちとぎ汁』。どちらも、資源の再利用です。地球温暖化防止効果は、弱いかも知れ

ません。でも、何かをしたいのです。もう、地球に、ゆっくり温暖化対策を待つ余裕はないと思うから。

我が家の環境対策。それは、家族で話し合い、より早く効果の出る方法を見つけ、実行することなので

す。

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