2005年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  千葉慶慎彦

【奨励賞】私と海

 

真っ青な空にもくもくと白い入道雲、その下にどこまでも果てなく続く碧い、碧い海。

 

貝殻を見つけてそれを母親に見せに走る子、砂の山を一生懸命につくる子、波と追いかけっ

こする子のはしゃぐ声、やっぱり海には笑顔が似合う。毎年、夏になると太陽の光が反射し

てキラキラと宝石のように輝く海が見たくなる。それは、海には、人を元気づける不思議な

力があるからだと思う。

 

私にはこんな経験がある。

 

去年の春、まだ冬といってもよかったかもしれない。そんな寒い日。私の大好きな先生が、

他校へ異動することが決まった。卒業する時、先生に見送ってほしい、皆であの先生にお礼

を言って学校をあとにしようと約束していたから・・・・・・。異動されると聞いた時は、と

にかく悲しかった。そんな時、友達は、一言こういった。 「港へ行こうよ」

この一言にどんな意味があったのか、よく分からなかったけど、すぐに「うん」と答えていた。

 

友達と2人で海へ行き、水平線を眺めていると、不思議と心が落ち着いてきた。

 

そして、先生との別れは、悲しいけれど、中学校最後の一年間を頑張ることが先生へのお礼

になるんだと前向きに考えられるようになった。

 

 

 

家で、港の話をすると祖父が、必ずこう言う、

「かおりは海が好きで、毎日連れていった」と。

たしかに小さい頃、祖父の自転車の後に乗って港へ行った記憶がある。

 

パンダやうさぎの置き物に順にまたがり、海を眺める。私が海をみると不思議と安心する

のは、祖父が毎日海を見に、港へ連れていってくれたからかもしれない・・・・・・。

 

私は思う。大好きなこの海がずっときれいなままであってほしいと。

 

そして、今年も暑い夏がやってきた。久しぶりに、海を眺めに港へ足をはこんでみようか

と考えている。

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