2011年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  小林 隆則

【特別賞】アルミ缶と二匹の魚の物語

 

こんにちは。ぼくは日本の海に住んでいるクサフグのリーフ。クサフグといっても、ぼくは毒が無いフ

グなんだ。

 

ぼくはいつも訪れている砂浜がある。ごみが少しある砂浜だけどね。ある日、いつもと同じように泳い

でいると、近くに捨てられていたアルミ缶がぼくにしゃべりかけてきた。 「ハロー!マイネームイズアル」

 

「えっ、英語?英語なんか分からないよ…」

 

 

ぼくは英語が全く分からなかったので、とても困ってしまった。でも、そういえば…。

「ちょっと、待ってて」

 

ぼくはアルミ缶にそう言い、急いである場所へ向かった。そこには、トビウオのトビ丸がいた。トビ丸

は世界中の海を泳いでいる。トビ丸はたまたま日本の海に帰ってきていたのだ。トビ丸はぼくの一番の友 達だ。

「こんにちは、トビ丸」

「ひさしぶりだな、リーフ。どうしたんだ?」

「実は砂浜に英語をしゃべるアルミ缶がいるんだ。トビ丸は英語をしゃべれるでしょ?だから…」

 

「いいよ。ボクが通訳をするよ。そうと決まったら、砂浜へ行こう!」

 

そして、ぼくとトビ丸は砂浜へ向かった。アルミ缶とはトビ丸のおかげで話すことができた。ここから

は英語も日本語になる。

「こんにちは!ワタシはアメリカ出身のアルミ缶、アルデス!」

「こんにちは、アルさん。ボクはトビウオのトビ丸。こちらはボクの友達のリーフ。クサフグだよ」 「フグ?あの毒がある…?」

「そうなんだよ。ぼくには毒がたくさんあるんだよ!なんていうのはうそだよ」

「驚きました!毒がないフグもいるんですネ」

 

ぼく達とアルはとても気が合い、いろいろな話をした。アメリカとはとても大きい国だとか、魚とはこ

んな生き物なんだよという話。アルの話にはとても驚いた。アメリカは日本の何十倍も大きいらしい。本 当なのかな?

 

それからは毎日、アルがいる砂浜を訪れた。アルの話を聞くために。トビ丸も一緒にね。話を聞くうち

に、アルについて分かってきた。アルはアメリカの工場で生まれたジュースのアルミ缶。そのあと人間に 買われて、海にポイ捨てされてここに来たそうだ。

 

ぼくは人間は本当に身勝手だなと思った。そのせいでアルはリサイクルされなかったし、ぼく達、魚は

海が汚れてとても困る。海底はゴミが多くて住みにくいし、水も少し汚れていて悪いことばかりだ。

 

そんなある日、アルと話していると、砂浜に人間がいた。あの人間達は何をしているか、トビ丸に聞く

と、

「多分、ゴミを拾っていると思う。ポイ捨てしたゴミは、海、魚の害になっていることに気づいたんだよ」

 

ぼく達は驚いた。あの人間達が…と。

「それじゃ、ワタシはここでお別れネ。人間達が拾ってくれたら。最後かもしれないから言っておくヨ。 リーフ、トビ丸に出会えてとても楽しかった。リサイクルされたら、また会いたいナ。今までありがとう!」

と、アルが言い終えた直後、アルは人間の手によって拾われ、ゴミ袋に入れられていた。 「ぼくもアルに出会えて、楽しかった!ありがとう!」

ぼくは大声でアルに答えた。

「行っちゃったな…」

 

トビ丸はさびしそうだった。ぼくも新しくできた友達がすぐにいなくなって、とても悲しかった。でも、人間に捨てられたアルは、人間に拾われていた。人間達は海を汚すゴミを拾ってくれている。それはぼく 達やアル、海にとってうれしいから、がんばってほしい。

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