2009年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  小林 隆則,  未分類

【特別賞】洪水が教えてくれた事

「四人死亡、十人行方不明。大雨で川が増水、土砂くずれ」

ある日、ニュースを見ていた私の目に、こんな映像が映りました。気になって引き続き見ていると、そ

れは兵庫県と岡山県でおきた出来事でした。降り続いた大雨のえいきょうで、十人前後の人が行方不明

になり、四人もの人がなくなってしまったそうです。私はこのニュースを見て、ぞっとすると同時に悲しい気持ちになってきました。

なんだか最近、いろんな場所での洪水などのニュースが、よく報道されている気がします。大雨などで

土砂くずれがおき、大きなひ害になっている。ふだん、水は飲んだり料理に使ったりする、なくてはな

らない大切なものです。でも時には、人の命をもうばってしまうほどになってしまいます。そのことを私は、改めて思いました。

私が通っているスイミングスクールで、先生が前に言っていたことを思い出しました。

「どんなにうまく泳げる人でも、洪水の時などの流れの速い川では流されてしまう」

私は、テレビに映る、すごい勢いで流れている茶色くにごった川を見て、さらにこわくなりました。家

の近くの竹田川も大雨の時には水の量が増し、流れも激しくなっています。まるで、嵐の時の海のようでした。

「そういえば、福井でも大洪水があって、大変だったんだよ」 とお父さんが言ったのでおどろきました。

そんなことを家族で話していると、おばあちゃんが、

「みいちゃんのお父さんが小さい時にも、こんなことがあったんだよ」 と言いました。私は気になって、おばあちゃんに話を聞いてみました。

それは、私のお父さんが生まれた次の日の夜でした。おばあちゃんがトイレに起きてみたら、ザーとい

う音がしました。外を見ると、コンクリートの地面が川のようになっていて、大変だと思ったおばあちゃんはみんなを起こして、家具などを二階に運んだり、たたみを台の上にあげたりしました。その時には、水がゆか上一メートルまできていて、たたみをのせた台がたおれて、たたみが水につかってしまいました。

それに、たたみの下にしいてある、うすい板の上をつたって歩かないといけないのに、家に入ってきたのはどろ水で、下がぜんぜん見えなかったそうです。生まれたばかりの赤ちゃんもいて、とても不安でふるえる思いをしたそうです。こんな話の後、おばあちゃんが、

「これは、いせわん台風がきた時の話だよ。おじいちゃんにも聞いてみたら」 と言ったので、おじいちゃんにも話を聞きました。

私の家は、竹田川と九頭竜川にはさまれた低いところに建っていて、昔から大雨が降ると、洪水がお

きやすく、この日は中でも、とくにひどかったそうです。おばあちゃんが起こしに来て、大変だということを知ったおじいちゃんは、急いで家具などを二階に運び始めました。水につかってしまわないようにと積み上げた家具は、天じょうにつくほどにもなったそうです。おじいちゃんが家の前に出ると、家の中では、高さ一メートルだった水が、一メートル六十五センチほどの身長のおじいちゃんの顔の所まできていました。しばらくすると、おじいちゃんのお父さんが、人夫さんを四、五人つれてきてくれて、人夫さん達の力をかりながら、必死でにもつを運びました。重いものを運んでいる時、ゆかが見えないので、足をぶつけて切ってしまいました。たくさん血が出たけれど、急がないといけないと思い、そのままものを運び続けたそうです。

話を聞いて、私は、テレビで映されているようなことが、昔私の家でもあったことを知り、おどろき、

大変だっただろうと思いました。必死になっているおじいちゃんや、おばあちゃんを想像しているうち

に、おじいちゃん達の洪水に負けないという気持ちがすごく伝わってきました。本当に洪水にあった人

達は、大変なんていう言葉ではすまない思いをしているんだろうな。 話の最後に、おじいちゃんは、

「これからなにがあっても、あきらめずに立ち向かわないとだめだよ。底におちてしまっても、はいあ

がってくることが大切だよ」

と言いました。それは、洪水がきた時におじいちゃんが思ったことなのかな。私もそんなふうに思える

人になりたいです。

この話を聞いて、これから自然に目をむけ、今おきている環境問題などのことも少しずつ考えていき

たいと思いました。

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