2005年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  新田亜紀子

【奨励賞】未来の海

 

船の上からのぞき込んだ海の底が、はるか数十メートルの下まできれいにすきとおってい

て、魚の動きや、海草のゆれる様子、サンゴの色まで、何のじゃまもされずにぼくの視界に

飛び込んできました。これが、ぼくが、今年の五月、沖縄旅行に行った時に、海をのぞき込

んだ時の素直な感想でした。

 

ぼくは、父の趣味が海釣りという事もあって、幼い頃から、色んな海を見てきたけど、こ

んなにきれいな海を見たのは、初めてでした。そして日本中の海を、全て沖縄の海のように、

奇麗に澄んだ水にすることが出来ればと考えます。

 

何故、日本の海は、こんなに汚くなってしまったのでしょうか。祖母や祖父、父や母に話

を聞くと、第二次世界大戦後、日本は、高度経済成長時代を向かえ、様々な産業が発祥し、色々

なものが作られました。その色々なものが作られる時に、汚い水や害のある水そしてゴミな

どが日本中の川に流され、川が汚染され、その汚い水が、ゴミが、海に流れ込み、汚い海になっ

てしまった。また、汚染された大気が雨になりその雨が、川や海に汚れた雨として入り込む

事によっても、汚染が進んできたということでした。本当に残念な事だと思います。

 

ぼくの祖父と祖母が住んでいる東京の羽田の海でも、昔はのりや、あさりをたくさん採る

事が出来たそうです。日本は、様々な産業を発達させるために、自然を犠牲にしてきたと聞

いて、もう取り返しのつかないものだと感じました。

 

 

一年前、父と東京の祖父と祖母の家に行った時、多摩川に釣りに行きました。その時父は、

「俺の子供の頃は、この川はこんなにきれいじゃなかった。ヘドロやくさい匂いがいつもあって、

釣った魚も持って帰る気にもならなかったのになぁ」 と言っていました。ぼくが、「何故」と聞いてみると、

「工場の排水や排気が、国や町の規制により勝手に川に流すことが出来なくなったからだよ」

と教えてくれました。少しずつ自然を取り戻す努力もされているんだなぁと感じました。

 

今、ぼくは毎月大浜の海をながめ、浜川の流れを見つめながら学校に通っています。目に入っ

てくるのは、空き缶やペットボトルや、発泡スチロールなどのゴミが砂浜にころがっていたり、

波に流れているところです。工場の排水や大気汚染をすぐになくす事は、今のぼくにはでき

ないことですが、捨ててあるゴミを拾って集めることなど、今の僕にできる事もいっぱいある

と思います。

 

水が透き通っている海、たくさんの魚、ゴミのない海岸、いまの日本の海がもっとも美しく

なるように、ゴミを捨てない、汚い水を流さない等、小さな事からもう一度はじめたいと考え

ています。

 

そして、いつまでも沖縄の海をきれいに保てる事が出来るような、日本にしていきたいと、

ぼくは、考えています。

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