【特別賞】茶色い水 透明な水
「こ、これが人が飲む水?まさか…うそでしょ?」
私はあるテレビ番組を見ていて、初めて見る光景に自分の目を疑ってしまった。そこには、アフリカの子どもたちが、茶色い泥水を飲んでいる姿が映っていたのだ。 「信じられない…」
それしか言いようがなかった。何しろ、まさか泥水を飲んで生活している国があるなんて、思ってもいなかったからだ。
池にたまった茶色の泥水…。それは、動物たちが水浴びをするのと同じ水だった。そんな泥水を飲んで
元気に生活していけるはずがない。泥水の一番の問題点は、そこには多くの細菌が含まれ、そのせいで恐ろしい感染症が広がっていくことだった。
後日、本で調べてみると意外なことがわかった。日本では、一日一人当たり約二千リットル使うと言わ
れてる水だが、世界の人口の約四分の三に当たる人々は、三十リットル以下の水しか使えないということだ。さらに、アフリカのケニアでは、一日五リットルの水で生きていかなければならない地域もあるそうだ。
そうなると、たとえ泥水でも飲まざるを得なくなるだろう。汚れた水を飲んで生活している人は、世界
中に約十二億人もいるそうだ。そのために、アフリカだけで毎日約四千人の子どもたちが、世界中では毎日約一万人もの子どもたちが亡くなっていると知って、とても驚いた。
では、なぜ泥水を飲まなければならないほど、水不足になってしまったのだろうか。その最も大きな原因は、人口の増加にあると考えられている。人口が増えるほど水を使う量も増えてしまうし、食料の増産のため、さらに水を使わなくてはならなくなるのだ。
そして、最近話題となっている地球温暖化も水不足の原因の一つだと言われている。異常気象が増え、
各地で干ばつなどの自然災害が起こりやすくなってしまったのだ。
今、私たちが生活している日本では、水道の蛇口をひねれば、いつでも飲むことのできるきれいな水が
出てくるし、水は透明なのがあたり前だと思っている。災害などで断水すれば、水が足りなくなって不便になることも考えられるが、だからと言って泥水を飲めるかと言われてもできないと思う。
しかし、世界には、水は茶色くにごっているものだと思っている人が数多くいるのだ。私はそのことを
今回初めて知った。水道水がきれいで、国のどこへ行っても安心して飲める日本は、とても恵まれた国
だったのだ。
それなのに、お店にいくと、さまざまな種類の水が売られていて、わざわざ買って飲んだりする。今ま
では、何も考えずに買っていたが、他の国のことを知ったら、とてもぜいたくなことに思えてきた。
今、日本などの先進国は、水道が整備されていない国に対して、資金や下水処理場を造る技術などを
提供したり、水を節約する方法を指導したりしているそうだ。水に恵まれた国だからこそできる、大切な役割だと思う。
しかし、日本でも安心してばかりはいられない。水道水のもととなる川の水が汚れてきているために、
今までよりもおいしい水が出なくなった地域もあるということだ。
一番大切なことは、川の水を汚さない努力をすることだ。そして一人一人が水の無駄使いをなくし、節
約していくことだと思う。中でも私が一番気になっていることは、トイレの水だ。よく考えてみると、私たちは飲めるキレイな水をトイレで流して捨てている。泥水を飲んで生活をしている人々が見たら、なんてもったいないことを、と思うにちがいない。せめて、トイレの水ぐらい雨水に代えることができたらいいのにと私は思う。実際に雨水を利用した施設を見たことがあるが、もっと多くの場所で取り入れられるようになるといいと思う。
その他、もっと身近なことにも気をつけて、水を大切に使う努力をしていきたい。一人一人が節約でき
る水は少ないかもしれないけれど、たくさんの人が気をつけることで、少しずつでも改善されればいいと思う。
私は、テレビで見たあのアフリカのお母さんの顔が忘れられない。
「子どもに、キレイな水を飲ませてあげたい」
そう言って泣いていた顔が、水を使うたびに思い出される。
一日も早く、世界中の人が水は透明なものだ、と思えるようになればいいと思う。


